余韻が続くとき
その余韻にひたって
おぼれそうになる
おぼれるわけないのに
空想なのに
空想とは
誰かの秘密の庭園に招待されるようなもの
私は客人
そこんとこ わきまえないと
妄想の庭園には管理人がいて
いつもは鍵がかけられています
ふとした はずみ
ほんの きまぐれ
鍵あいているどころか
鍵そのものがなくて
自然に迷い込んでしまうこともあります
さて管理人さんですが
とくに
なにも教えてくれません
なにも指摘してこないですし
もちろん怒られることもないのですよ
けれども
自分の世界に戻ってきたとき気づきます
膨大なデータ量の知識が頭脳に詰め込まれてしまったと
いったこともなければ
みたこともない
きいたこともなくて
知ってるはずのないものばかり
全部ごっそり手にいれてしまうのです
妄想の庭園を管理しているのは
遠く別の銀河から派遣された粒子猫
特定の姿かたちがあるというより
あなたが望む姿であらわれてくれる
わたしがアイタイと願う誰かだったり
誰かの想像の恋愛対象だったりしますから
「どんなひとだった」
「どんな顔だった」
「なに着てた」
なんて会話をしても無意味なのですよ
だって粒子猫ですから
あなたは誰?
そう
「わがはいは、ネコである」
と応えてくれるでしょうが
気づけば目覚まし時計が
鳴り響いている
いつもの部屋です