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第152話 負けるなよ

おそるおそるでした


だって

いつ どこで だれが


いいえ

うしろ指さされるなんて

気にもしません

そんなの

いままで さんざん


うそをつかれていた私は

ひどく両親をうらみながら

その一方で大切な仲間たちにうそをついてきたわけですし

なにもかもが諸刃なんです

うらみゆえの報復なんて考えた時点で

自分に刃を向けたも同然

罪悪感があまりにも暗くて

自分で自分を許せなくなっていくのです


そのくせ

誰かに責められるのはゴメンという気持ちが

日に日に強まってしまい


モンスター化していきました




負けるもんか!

意地張って

あんなに嫌っていた見栄でさえ

自分も張るようになって

『もう信じられません』

本音を両親に突きつけてしまったけれど

いちばん信じられなかったのは

自分自身です



いいえ

信じられなかったのではなく

信じたかったのでしょう


『もう信じられない』は

心の叫びで

『ちゃんと信じたい』という意味

『信じさせて』という願いでした



髪をかし

肌を整え

鏡に向かって

凛々しさを吹きつける


さあ

今度こそ

負けるなよ



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