おそるおそるでした
だって
いつ どこで だれが
いいえ
うしろ指さされるなんて
気にもしません
そんなの
いままで さんざん
うそをつかれていた私は
ひどく両親をうらみながら
その一方で大切な仲間たちにうそをついてきたわけですし
なにもかもが諸刃なんです
うらみゆえの報復なんて考えた時点で
自分に刃を向けたも同然
罪悪感があまりにも暗くて
自分で自分を許せなくなっていくのです
そのくせ
誰かに責められるのはゴメンという気持ちが
日に日に強まってしまい
モンスター化していきました
負けるもんか!
意地張って
あんなに嫌っていた見栄でさえ
自分も張るようになって
『もう信じられません』
と
本音を両親に突きつけてしまったけれど
いちばん信じられなかったのは
自分自身です
いいえ
信じられなかったのではなく
信じたかったのでしょう
『もう信じられない』は
心の叫びで
『ちゃんと信じたい』という意味
『信じさせて』という願いでした
髪を
肌を整え
鏡に向かって
凛々しさを吹きつける
さあ
今度こそ
負けるなよ