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第138話 至高の手段

平気な顔ってどんな顔

いつも研究して

それっぽく振る舞って

なのに手の震えが止まらない


大丈夫ってどの根拠

安心したいよ

そりゃそうだよ

なのにリスク承知で海へ出た


しろい漆喰が街を包む

空も海も蒼く碧く青く光って

ひかえめに言えない

どんなにおさえても

最高すぎて最高すぎるよ最高なんだ


どうにか伝えたい

どうにも届け方を思いつけず

最後の手段さ


願った

祈った


いまはここにいる空気そのもの

風にさえなれなくて

叫んで叫んで叫びきったけど

まったく声が出ませんでした



光速の情報網に載せて

いいとこどりの編集テクニック

これから私ますます不要になるよね

ひきずってます 昔の花

ひきずってるよ 枯れてもなお

しがみついてる 若さ激しさ冷たさ


このままじゃいけないと気づいたから

馳せて勢い任せ鼓動のリズムで

試行の手段だ


想った

祓った



夏の残像が脳裏で暴れる

やさしい声

さみしい口元


いまもそこにある瘴気そのもの

浄化させて幾年月

わめいて わめいて わめいてもなお

声が枯れませんでした


至高の手段だ

とびきりの物語を想像したら

さあ


願って

祈って



いちばん好きなシーン

想って

いまさらだなんて諦めてないで

祓って


さあ

クライマックスまで

自由気ままに生きましょう


どうにもならになかったこと

どうにもならなかったなりに

のりこえてきた

どうにもならないんでしょうか

どうにもならないんでしょうが

のりこえていこう




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