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第127話 ロビー

ものおとなし

むしろ

ひたすら静か


ロビー?


かなりの量が積まれているチラシ

映画?

かと思えば

ライブの告知や

おそらく劇

いったいどういう場所なんだここは

緊張がうすらいでくると

通路のようなものが見えてくる


ここを進むのか



「で、なに見てるん?」

立ち止まったままの彼女に声をかけると、

「あの映画、観たい」

「あの映画?」

それは英語ではなさそうな文字列が並んでいて

ピンぼけぎみで少女が写り

なにやら工場のよう

「クリーニング店?」ぼくが言うと

「なるほど」彼女が納得する

「いつごろの時代だろう」

「第二次大戦前とかかな」

ポスターを眺めてしまう


時間が止まった気がした

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