ものおとなし
むしろ
ひたすら静か
ロビー?
かなりの量が積まれているチラシ
映画?
かと思えば
ライブの告知や
おそらく劇
いったいどういう場所なんだここは
緊張がうすらいでくると
通路のようなものが見えてくる
ここを進むのか
「で、なに見てるん?」
立ち止まったままの彼女に声をかけると、
「あの映画、観たい」
「あの映画?」
それは英語ではなさそうな文字列が並んでいて
ピンぼけぎみで少女が写り
なにやら工場のよう
「クリーニング店?」ぼくが言うと
「なるほど」彼女が納得する
「いつごろの時代だろう」
「第二次大戦前とかかな」
ポスターを眺めてしまう
時間が止まった気がした