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第120話 空気

蛇足と言われたらむしろチャンスだ

命を吹き込み竜にしよう


世界ペインティング惑星ノープランひらめくまま

パラパラパラパラ

ノートのすみっこ


なんでだろう

やめらんない

らくがき


なんでかな

書かなくなった

らくがき


手ぶらだった

いつからだろう

あんなにたくさん書いていたのに


余白だらけの春休みまえ

まだまだ先だと思うけれど

もう時間がないと

また言われて

扉をしめた


水たまり架けられた橋

渡ろうとして

丸くて登れず

手すりつかんでも

すぐ戻る


ならば

一気にと


少し遠く離れて

離れすぎかな

駆ける

勢いまかせ

つるりといきそうになるのを受け止め

それより早く上

上 

    上


          上


おっと

おりないよ まだ

まだだ まだまだ まだ

おりない


せっかく登りきったのだから

両手をふりがさし

なにもつかまず

勢いだけの

登り方

だから

そのままおりてしまいそうになるのを

すげえこらえた



やばい 息っ


ぐるり旋回

なんども見渡す

ほんのちよっとの高さでしかないのに

こんな





息きれて

わずかな高さでしかないのに

ぐるり旋回する心地良さ

太鼓橋の中央で

叫びたい気持ちが

おれを黙らせる

つきあげる怒涛ゆえの

無口な一瞬


ああ 空気





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