言いたいこと言うなら
言われたくないことをちゃんと聞けよ
自分だけいいとこどりって
なんなんだよ
吐き捨てたくても
脳内ひとりごとしか叫べずに
くやしい気持ちを持て余す
せめてもの救いは
週末のプール
思いっきりクロールで泳いで
くたくたになれること
言いたいことというよりも
言い返したいことだが
一方的に責めたてられると
言葉に詰まることって
むしろ自然なんじゃないのかな
言い返せないからって
責めてるほうが正しいってことには
ならないと思う
けど残念
また負けか
でもあるとき
「ちゃんと見てる。聞くよ」
と言ってくれる大人が現れた
それだけでも私には
すごいことだった
そのうえ
本当に見ててもらえてる
実際に聞いてもらえる
って
それはそれはもう本当にすごいことだった
ただし
それは
私が望んでいたのとは別
あまりにも私は欲張りすぎのだと思う
だって
その役を
親に求めてしまったから
親の役割に求めすぎないほうがいいのは
なかなか理解が及ばなくて
つい
ついつい
訴えかけてしまったんだ
おれの話を聞いてくれ
おれのことちゃんと見てよ
と
新聞や雑誌の声は大きい
たとえ目の前を見ているようでも
その人が見ているのは
想像上の怪物かもしれないんだ
おれが誰で
おれがなんなのか
ふと
そんなのどうでもいいか
と
なげやりになりかけたとき
見てるよ
聞くよ
応援してるぞ
その言葉は
あまりにも強くて静かで
熱をおびていた
ふらつくくらいの熱でもいい
言葉にのせて伝えたい