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第9話

 ここなら誰も来ない

 と

 考えるのは

 似たような性格ならありえる


 だから

 いると思ってた

 いない確率のほうが高いというだけで

 いるときはいるだろうし

 できることなら

 いてほしい

 もしかしたら

 仲良くなれるかもしれない

 と

 都合よく想像するのはよくないことだ



 見事に誰もいないし

 誰かが来る気配もない


 おれが展望台に来るときだけ?

 ここは別世界

 なにもかもから遮断された異空間で亜空間の

 パラレルめいた保健室



 逃げてきたけど

 帰らなくちゃだ


 逃げ続けたいけれどそうも言っていられない

 帰るからには変えていかないと

 おれの心も顔も言葉も

 異常が尋常な空間で通用するように

 きっちり変える必要がある


 いや

 なにくわぬ顔で生き抜くために

 異常が尋常の空間に耐えられるように

 ここに逃げてきたのは正解


 さあ武装の時間だよ


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