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【柴犬?】の無双から始まる、冒険者科女子高生の日常はかなりおかしいらしい。
加藤伊織
現代ファンタジー現代ダンジョン
2024年08月15日
公開日
764,396文字
連載中
「小説家になろう」にて120万PV突破の学園青春へっぽこファンタジー。月~土朝9時更新です

サンバ仮面、ダメステアイドル、【柴犬?】いいえ、一番おかしいのは主人公!

これは、ダンジョンが当たり前にある世界の中で、冒険者科在籍なのにダンジョン一辺倒ではない女子高生の、かなーりおかしい日常を描いています。

県立高校冒険者科の女子高生・柳川柚香(やながわ ゆずか)は友人と訪れたダンジョンで首輪を付けていない柴犬に出会う。
誰かが連れてきたペットの首輪が抜けてしまったのだろうと思った柚香は、ダンジョン配信をしながら柴犬を保護しようとするが、「おいで」と声を掛けて舐められた瞬間にジョブ【テイマー】と従魔【個体α】を得たというアナウンスが流れた。

柴犬はめちゃくちゃ可愛い! でもこれ本当に柴犬なの? でも柴犬にしか見えないし! そして種族を見たらなんと【柴犬?】って! なんでそこにハテナが付いてるの!?
ヤマトと名付けた【柴犬?】は超絶力持ちで柚香を引きずるし、魔物の魔石も食べちゃうなかなかの【?】っぷり。
見ている分には楽しいけれど、やってる本人は大変なダンジョン配信は盛り上がりを見せ、なんと一晩で50万再生というとんでもない事態を引き起こす。

アイドルを助けたり謎のサンバ仮面が現れたり、柚香の周囲はトラブルだらけ。(原因として本人含む)
しかも柚香は、そもそも冒険者になりたくて冒険者科に入ったのではなかったのです! そこからもう周囲に突っ込まれていたり!

過激な多方面オタクで若俳沼のママ、驚きの過去を持ってたパパ、そしてダメステータスすぎてブートキャンプさせられる口の悪いリアル癒やし系アイドル()に個性の強すぎるクラスメイトや先輩たち。

ひよっこテイマーの日常は、時々ダン配、日々特訓。友達の配信にも駆り出されるし、何故かアイドル活動までやっちゃったり!? 悩みがあれば雑談配信で相談もします。だって、「三人寄れば文殊の知恵」だからね!
夏休みには合宿もあるし、体育祭も文化祭も大騒ぎ。青春は、爆発だー!

我が道を行くつよつよ【柴犬?】、本当はアイドルしたくない俳優志望のアイドルたちと共に、「50万再生の豪運シンデレラガール・ゆ~か」は今日も全力で突っ走ります!

他サイトにも投稿しております。
表紙イラストにAI生成イラストを使用しております。

第2話 君の名前はヤマトで決まり!

「はえっ!?」


 驚いているところで柴犬にどーんと体当たりされて、それを受け止めると顔中をべろんべろんとなめ回される。犬好きの至福タイム! じゃなくて、私は今頭の中で聞こえたアナウンスに困惑していた。


「お座り。うん、グッド。ちょっと待ってて」


 勢いで落ちてしまったスマホを拾って、慌ててダンジョンアプリを立ち上げる。


 このアプリはダンジョンが世界中に出来た後、アメリカの有名IT企業に送られてきたらしい。

 内容はダンジョンアタックする人間には必須の項目ばかりで何故かダンジョン内情報とも紐付けられていたので、「ダンジョンを作り出した何者かが作った」と言われてる。


 ――まあ、誰が作ったかは私には興味ない。これがないと困ると言うことだけはわかるけど。


ゆ~か LV2

HP 44/45

MP 5/5

STR 8

VIT 12

MAG 3

RST 2

DEX 6

AGI 11

ジョブ 【テイマー】

装備 【初心者の服】【初心者の盾】【初心者の剣】

従魔 【個体α】


「えっ!」


 アナウンスの通りに、私のジョブがテイマーになっていた。

 自分の名前の所は変更出来るので、配信用の名前。そして、従魔の欄が新しくできていて、そこにさっき言われた【個体α】が表示されている。

 慌ててスクショを取って、それを配信アプリの方に流した。


「見て! これ見て! なんか私テイマーになっちゃった! てことは、この子はモンスターなの? どう見ても柴犬なんですけどー!」

『うP主GJ! とりあえず名前変えてやれ』

『もしかして:柴犬じゃないのかも……』

『仕込みやろ。元々テイマーだったんちゃうか』

『いいや、ゆ~かたんは昨日まで正真正銘の無職だった!』


 コメントがざーっと流れていく。あ、常連さんがいるんだ……なんか女子高生としては嬉しい反面複雑な気分になるね。とりあえず、画面に向かって笑顔で手を振っておく。


「こんな何も出来ない配信者なのにいつも見てくれてありがとー!」

『ゆ~かたんはドジっ子だから目が離せない。見てないとどこかで落とし穴に嵌まったまま誰にも気づいてもらえなさそうで』

「ぐぬうっ!」


 コメントが痛い。小さい頃実際に似たようなことをやったことがあるから刺さる!

 そして、待ちくたびれたのか足下で柴犬がキューキュー言い始めた。


「そうだ、君にも名前を付けようね。はい、ちょっと立って。オスかな、メスかな? うん、オスだから名前はヤマトで決まり」

『なんでこんな速攻で名前が決まるん』

『ゆ~かたんが昔やってた牧場ゲーム実況のシリーズの定番だな、柴犬は雄がヤマトでメスがヒカリ。オスで2匹目がいるときはタケル』

「なんでそこまで知ってるの!? 常連さん逆に怖いよー」

『怖くないよ~^_^』


 チャリーンと言う効果音と共にスパチャが入る。いや、このタイミングで入るのが怖いんだってば! パパ活とか絶対にしないから!


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