はぁ…………くだらない……
「にゅわぁ!」
「え、こ、これって、え、え、え、まって、これって、え!」
チェリーちゃんが茂みの中で発見したのは捨てられていたエッチな雑誌でした。
パラパラと全体を通して見た後、チェリーちゃんの背後から食い入るように雑誌を見るジャン君へと手渡しました。
「ちょ、こ、こまる、ってか、え、まって、こんなの見るの初めてで……その!」
「にゅにゅ! にゅーにゅ!」
ジャン君、困っているという言葉とは裏腹に雑誌から目が離せません。
スタイルのいいアジの女性が載っていますがちょっと分かりませんね……せめて人魚ならまだしも、魚そのものとなると我々人間には未知の領域です。チェリーちゃんは分かっているのでしょうか……
「にゅ~わにゅわにゅわぁ~」
雑誌を地面に置いて、ガン見したまま黙りこくってしまったジャン君をよそに、チェリーちゃんは更に茂みをかきわけます。
はぁ……どうしましょう。
魔法の言葉、使ったほうがいいのでしょうか……?
「チェ、チェリー君! チェリー君! 来て! 早く来て!」
「にゅ?」
「見て! 茂みの奥に、も、も、も、もう三冊あった!」
「にゅにゅ!」
……これが小学生男子と思えば、こんなものでしょうか……
うちの息子も……いえ、すみません。私のことはどうでもいいのです。
まぁ、この位なら目を瞑りましょうか。
男の子なら誰しもこういった経験があるのでしょう。
「え、ちょ、チェリー君? なに? え、どこ触ってるの?」
……?
チェリーちゃんが、ジャン君の尻ひれの付け根に触手を伸ばし始めました。
「にゅにゅーにゅ」
「ちょっと、あ、まって、なにか、で、で、でる、や、やめ、チェリー──────」
ジャン君のまわりに、もわっと白い……あ、これダメなやつ! そもさんっっっ!
「ひっ……ひぎ、チェ、チェリー君……な、なにした……の?」
「にゅーにゅ! にゅわ………………にゅひっ!!!!」
チェリーちゃんは背中を抑えてその場にうずくまってしまいました。
えっと、天罰が下ったのでしょうか。
それにしても……腰? が痛くなったようですね。
無脊椎動物なのに……
チェリーちゃん、あまり純真な子供を弄んではいけませんよ?
「………………にゅ」