大きな街のしっかりした病院で乳ガンの検査を受ける。
そう固く決意したアスカちゃんは今、歓楽街を出て暗い海を泳いでいました。
アスカちゃんの腕にはちゃっかりとチェリーちゃんがしがみついていました。
「チェリー君、しっかり捕まっててね」
「にゅーわ」
クラゲはエロいので振りほどこうとしても離れないでしょうから、その心配はいらなそうですね。
それにしても、来た道を戻ることになってしまったチェリーちゃんですが、いいのでしょうか?
「にゅ!」
そうですね、元々当てのない、しょーもない旅ですものね。
進むも戻るもありません。
心の底から、どうでもいいことでした。
「……チェリー君、着いてきてくれて……ありがとね」
「にゅわ?」
「何て言うか……しこりはね、前々から気になってたんだけど、チェリー君のおかげで検査を受ける決心がついたんだよ」
「にゅーにゅー!」
「あんっ! だからっておっぱいは触っちゃダメだよ! んもぅ、本当に君はエッチなクラゲだね!」
「にゅひひ」
「……でも……ほんとにありがと……ちゅ」
あ………………
え、うそ………………
ア、アスカちゃんは、両手のひらにチェリーちゃんを乗せると、そのまま頭に口付けをしてしまいました……
……アスカちゃんは何と言うか……本当に純真な少女なのですね……
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……おっ?
繋がった?
どもども。おじさんだよ。
なんか久しぶりだね~。いやほんと、作者の人、気まぐれ過ぎない? まぁいいけどさ。
いやぁ~いいよね。アスカちゃん。
いいね~いいよぉ~。
ちゅ……だって。
おじさんもね、もう四十歳だからさ。キュンキュンとか、そういうのとはすっかり縁遠くなっちゃったけどさ。
いいよね。
うんうん。助けてあげて良かった。
あ、おじさんね~子供や同じおっさんには厳しいけど、女性には優しいのよん?
ジェントルマンだからね。
分かる?
それにしてもアスカちゃんのおっぱい、いいよね。
Aカップ……いいじゃな~い。
おじさん、小さいお胸も大好きよ?
張りがあって健康的でいいっ! すごくいい。
さっきの闇医者も大概だったけど、最近変な人ばっかり登場してたじゃない? 癒されるわぁ~。
あ、海の人たちってあんなのばかりじゃないからね?
勘違いしちゃ嫌よ? あんなの極一部だからね。
アスカちゃん、いい子だなぁ~。
このまま一緒にシャングリラまで来てくれないかなぁ~。
まぁ、おじさんほどのテクがあればいけるかな?
なんて言うかね、感触ね。これ、感触の話。
今まで数々の恋愛の場数を踏んできたおじさんには分かるのね。
このまま押し切ればセックスできるって感触ね。
アスカちゃん、結構チョロQっぽいしさ。
セクキャバで働いてたわりに純情じゃない?
田舎から出てきたのかな?
田舎からスポーツ推薦でこっちの大学に来たけど、才能に限界を感じたりして帰るに帰れなくて、その内お金も無くなってきて、手っ取り早く稼げる夜のお仕事へ~みたいな。
おじさんの勝手な想像ね?
まぁ、導いてあげましょ。おじさんがね。
これも大人の務めですわ。
なんだっけ? おっきい病院だっけ?
行く行く、イッちゃう。
付いて行きさえすれば性交渉できちゃうでしょ?
おじさん、どこでも行っちゃうよぉ~!
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…………逃げて、アスカちゃん。
お願い。
大人はね、本当に色んな人がいるのです。
いい大人もいれば、どうしようもない悪い大人もいるのです。
優しい顔をして率先して若者を導こうとする大人は、大抵悪い人が多いのです。
真っ白な若い人はそれを簡単に信じてしまうのです。
アスカちゃん……私の声は届かないでしょうけれど、どうか無事で……どうか、どうか……
チェリーちゃん、アスカちゃんに酷いことをしたら本当に許しませんからね?
「にゅわっ!」