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第99話 デート

 モール内には洋服や家具、雑貨など、色々な種類のお店が入っていた。

特に雑貨は可愛いものが多くてじっくり見て回ったのだが、その中に北欧系のおしゃれな雑貨屋があって、二人して気に入ったルームランプを見つけた。


「これいいね。灯りの色も優しいし、タイマー付きだから眠った後に消えてくれるのもいい」


「デザインも素敵だよね。これ買おうかな」


 大きさが丁度ベッドのヘッドボードにおける手頃な大きさだったこともあり、購入することにした。


「結菜が買うなら俺も買うよ。同じライトの光で眠りに入れるならなんか繋がってるようで嬉しいから」


 累も一緒に購入することにして、色もお揃いのものにしてからレジに向かった。その途中また気になるものを見つける。


「累。このボトルフラワー可愛い」


 それはドライフラワーをおしゃれなガラス瓶に詰めてあったものだった。


「へえ。結菜はこう言うのも好きなんだね」


「うん。玄関が寂しい感じだからこれ飾ろうかな」


 一目惚れだったのでそれも即決して二人して会計を済ませると累が時計を見てあっと言った。


「結菜。そろそろカフェの予約時間だから行こうか」


「わあ!楽しみ!実はメニューはチェックしてなくて、歩きながら見てみるね。累はもう何にするか決めてるの?」


「ああ。そうだ。ここのお店のウリの大きいバスケットに入ったポテトとフランクフルトのセットがあるんだけど、これ頼んでいいかな?結菜もつまむよね」


「そんなのがあるんだ!うん!楽しみ」


 私はメニュー画面を開くとドリンクやフードの一覧を眺めた。

(あ。このケーキ美味しそう。こっちのケーキもいいなあ。悩む)

 あれこれ考えていたが、スペシャルドリンクとチーズケーキを注文することにして累に案内してもらってカフェに到着した。そこは外観からもうすでに素敵で、私はワクワクが止まらなかった。

 注文は今どきで、タブレットで商品を選んで注文するため、店員さんを呼ばなくていいのが便利でよかった。


「ご注文の品はお揃いですか?」


「はい」


机の上には素敵な商品が並んでたが、二人で食べる量ではないので私は少し怯んでしまった。二人で食べようと注文したバスケットもかなり大きく量が多いので、普通は四人くらいでシェアするのだろうなと思った。


「じゃあ写真を撮って早速食べようか」


「うん!あ、私これSNSにはあげないから累があげるなら自由にしていいからね」


「う〜ん。こういうの難しいんだよね。匂わせになちゃう可能性があるから」


「ああ〜そっか。じゃあ二人の思い出として写真撮っとこう」


 そう言って二人で写真をとって食べ始めた。スペシャルドリンクはソーダにカシスのシロップとカラフルなゼリーが沈めてあって混ぜて飲むようになっていた。


「結菜のジュース綺麗だね美味しそう」


「飲んでみる?」


 累にジュースのストローを向けると一口飲んで目を輝かせた。


「あ!これ好きなやつだ。美味しいね」


「ふふ。よかった。どうする?追加注文する?」


「あ!したいかも。じゃあ注文っと」


 累はよっぽど気に入ったのか、追加でドリンクを注文した。私は自分が気に入ったものを累も気に入ってくれたことがなんだか嬉しくてまた一口ドリンクを飲んだ。


 食べ物も飲み物も美味しくて気がついたら山盛りあった食べ物も飲み物もからっぽいになっていた。


「はあ。美味しかった!累、予約してくれてありがとう!」


「結菜に喜んでもらえてよかった。そうだ。ここは奢らせて。ほとんど俺が食べて結菜ドリンクとケーキだけだし」


「え!でも悪いよ」


「いいの!デートだしそれくらいさせて」


(ここで意地になって拒否するのもなんだか悪いし、お願いしようかな)

そう思って私は累に甘えることにした。


「累ありがとう!ごちそうさまでした」


「いいよ。じゃあ行こうか」


 ここは予約制なのでお店にいられる時間も限られている。沢山注文したので時間ギリギリになってしまったので慌てて退店した。


 外に出ると先ほどより冷えて首元が寒い。そういえばマフラーが欲しかったことを思い出して累と洋服や回りをして気に入ったものを見つけた。


「こっちの色とこっち。どっちが似合ってる?」


「う〜ん。色で全然印象が変わるね。柄も微妙に違うし。思い切って2つとも購入してみるとか?コーディネートの幅も広がるし」


目から鱗だった。確かにこれ2本あったらコーディネートに困らない。私は累に進められるままに2本買い、そのうち1本を首に巻きつけて外に出た。


「ああ〜あったかい。これ買ってよかった」


「似合ってるよ。本当はプレゼントしたかったけど結菜は断りそうだから…」


「ふふ。よく分かってる。特別な日以外はそういうの好きじゃないから。ありがとう。理解してもらえてて嬉しい」


 今度は私から累の手を握る。すると累は一瞬驚いた顔を見せたが、 すぐに笑顔になって繋いだ手をポケットに入れてくれた。


「冷えてきたから。こうしたらあったかいでしょ?」


「うん…あったかい。嬉しいなって今思った」


 二人見つめあってまた歩き出した。 


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