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『後日』-真相-

「ーっ!」

 洞窟を進む事数10分。進行方向から、淡い光を感じた。…うお、実に『分かりやすい』な。

 そこに近付くにつれ、壁面に施されたモノが見えてくる。

 ーそこには、巨体な『銀色のドラゴン』が描かれていた。…あれは確か、『ウキボリ』とかいうアートだったかな?

「…凄いですね」

「…あれ?『入り口』は?」

 姉も、その迫力に圧倒されていた。一方、弟はアートの近辺にドアがない事に気付いた。

「ああ、それならー」

「ーえっ!?」

「…ワオ」

 その問いに対し、俺は目の前の壁に向かって歩いて行く。そして、壁の一部分に『コンパス』をかざすとその部分が『消えた』。

「…とまあ、あのように入り口は巧妙に偽装されているんですよ」

「…何でですか?…此処には、『ライセンス』を持ってる人しか入れないのでは?」

 案内役の解説に、弟は疑問を抱く。…すると、姉は唐突にぎょっとした。

「ま、まさか、『ナイヤチのエピソード』で出た『絶対不可侵のシェルター』って此処の事だったんですか!?」

「お、正解。流石、『ファン』だな」

「…え?」

 俺はニヤリと笑い、肯定する。…まあ、案の定弟は話についてこれなかった。 


 ー要するに此処は、かつてナイヤチで起きた『事件』の際住民達の避難シェルターになったという訳だ。…いや、まさか『ドラゴン』の格納庫を『有効活用』するとはな。 


「ー我が師匠の話では、『害虫』は外のゲートを容易く突破したとの事です。…まあ、当時は『本物』の木材で造らていましたから当然ですね」

「けれど、『初代』が住民達を『寝床』にまで招き入れたおかげで彼らは難を逃れた…という訳だ」

「……。…そんな、事が……」

「…てか、当時ってシェルターなかったの?」

 姉は、ただ唖然としていた。いや、軽く恐怖を抱いているだろう。…一方、弟も恐怖しながら別の疑問を口にした。

「いや、当時もちゃんとしたのがあったハズだ。

 ーただ、『未知の害虫』の対策が十分でなかっただけさ」

「…いや、そりゃ無理でしょ」

「…ですね。…あ、だから今回シェルターの被害が少なかったんですね」

「まあ、念には念を入れて『サポーター』を防御に回したってのもあるし、第1遊撃部隊をはじめとする友軍が全力で『誘導』してくれたお陰でもあるな」

「…でも、一番の決め手はやっぱり『我らが』キャプテンですよ。

 ーまさか、『新たな伝説が始まる瞬間』に立ち会えるとは夢にも思っていませんでした」

 事件の日の事を振り返っていると、『新入り』はキラキラした瞳で熱い胸の内を語る。   


「さて、私が案内出来るのはここまでですが…。…このまま同行しても宜しいですか?」

「ああ。…んじゃ、アイーシャ」

「了解ですー」

 勿論俺は快諾し、姉に視線を送る。すると、彼女は格納庫に一番乗りをした。そして、俺達もその後に続いた。

「ーっ!」

 直後、格納庫の照明がオートで起動した。…まあ、当然ココにもあるだろう。

「…マジで広いね」

「そりゃ、『ドラゴン』が眠っていた場所だからな。…さて、問題は『何が』あるかだ」

「…っ」

 とりあえず、アイーシャはイデーヴェスで入手した情報チップを取り出した。…お?

 すると、まるで見計らったようなタイミングで『コンパス』も光り出した。

「ー……。アイーシャ」

「…っ!…はい」

 なので、『コンパス』を彼女に渡す事にする。…彼女は、やや緊張しながら受け取りチップを『それ』の上に乗せた。

「ーっ!?」

「…マジか」

「…おお」

 次の瞬間、『コンパス』から細い銀色のビームが照射された。…そのビームは、格納庫の中心を指し示した。

 ーそして、それが『トリガー』となりビームが当たっている床がせり上がる。

 そんなビックリギミックを目の当たりにしたクルー達は、驚いたり感動したりしていた。 


「…いやはや、本当に『飽きない』な。

 ーアイーシャ。…とりあえず、君が調べてこい。手伝いが必要なら、呼んでくれ」

「…っ。イエス・キャプテン」

 俺は心底『面白い』と思いながら、姉にオーダーを出した。…すると、彼女は真剣な表情で頷き出現したモノに向かって早足で近付いて行った。

「ー…あの、一緒に行かなくて良いんですか?」

 当然、新入りは疑問を投げ掛けて来た。…なので、俺は『プレシャス』の1節を呼び起こすー。

「『ー出現した-タンス-に近付き調べようとしたその時、ガマン出来なかったのか誰かが傍にやって来た。…すると、-タンス-は急に元の状態に戻ってしまった。』

 …つまり、原則『資格』を持っている人間以外は近付けないのだろう。ただ、『ソイツ』が『許可』さえ出せば『サポーター』として他のヤツも近付けるみたいだな」

「…なるほど。…本当に、驚きの『セキュリティ』ですね」

「…てか、そんな事も書いてあるんだ」

「ああ。…多分、『初代』的には『後に続く人達』の為の『テキスト』にしたかったのだろうな」

「ーそれでは、調査を開始しますっ!」

 そうこうしている内に、姉は『クローゼット』を開きコールした。そして、チップと『コンパス』をまるで『そういう為』に作られたかのようなスペースに置き、まずは上から調べ始める。 


「ー…あれ?『ハズレ』みたいですね…」

 けれど、上の方には『アイテム』等はなかったようだ。そして、次に彼女は『中段』…を飛ばして下を調べ始めた。

「……?」

「「………」」

 新入りは首を傾げるが、俺と弟は成り行きを見守る。…すると、『クローゼット』から『ガコン』という音が聞こえて来た。

「…え?何ですか、今の音……」

「多分、『ギミック』が発動した音だろう。…要するに、あの『クローゼット』にはゲームみたいな『謎解き要素』がセットされているのさ」

「……。…何で、『そんなモノ』が?」

 当然、新入りは訳が分からなかった。…なので、俺達は一瞬顔を見合せてー。

「「ー『ファインドポイント』で手に入るモノも、『秘宝』への『手掛かり』だから」」

「……。…『ロストチップ』とかの『手掛かり』以外にもそういうモノがあったんですね」

「まあ、『普通の手掛かり』と違って『次の座標』は無いし『副産物』も生み出せないがな」

「…でも、クルーガーお姉様達『BIG3』や『キャプテン』をはじめとする『有力候補』達は積極的に『ファインドポイント』を探してるんだよ」

「……。…今まで、『どんなモノ』が見つかっているんですか?」

「「『色々』」」

 新入りの質問に、俺達はまた声を揃えて答えた。…いや、だって本当にこう答えるしかないのだ。 


「ー…っ!『発見』しましたっ!」

 すると、調度良いタイミングで姉が報告して来た。そして、後始末をしてからこちらに戻って来た。

「…あ」

 それから少しして、役目を終えた『クローゼット』は床に収納された。

「ーお待たせしました。まずは、先にお預かりした『コンパス』を…」

「はいよ」

 姉はまず俺に『コンパス』を返して来た。…そして、次にウェストポーチから先程回収した『アイテム』を取り出した。

「ーっ!…これは、『巻物』?」

 透明な保存ケースに入っている『それ』を見たミリアムは、ぽつりと呟く。

 ー…『それ』は、かつて古代文明で使用されていたとされる『スクロール』と呼ばれる物だった。

「…確か、古代文明じゃ『これ』がテキストとかアートに使われていたんだよな?」

「…へ?」

「…これが?」

「…いや、本当に良くご存知ですね……」

 頭の中に眠っている知識を呼び起こすと、ランスター達はポカンとしたり凝視したりした。一方、ミリアムはこちらの知識量に驚かれた。

「まあ、こういう『古代文明』方面に詳しくなったのは祖父ちゃんの影響かな。

 なにせ、フォトデータや『レプリカ』とかいっぱい持ってたし」

「…っ」

「…本当に、『多趣味』な方だったんですね」

「…ところで、『それ』どうするの?」

 そんな話をしていると、弟がコースに戻してくれた。…まあ、『保存ケース』に入ってるからー。

「ーやっぱり、『特別なルーム』で開封すべきでしょう。…えっと、『そういうルーム』って『カノープス』には?」

 すると、真っ先にミリアムが答えを口にした。…うん、彼女は随分と詳しいようだ。

「…確か、『保管ルーム』の横に有りましたよね?」

「ああ。…とりあえず、一旦ホテルに戻って『上』に報告だな」

「「「イエス・キャプテン」」」

 そして、次の行動を決めた俺達は『格納庫』を後にするのだったー。

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