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木漏れ日の交差

「ー…おっと」

 次のフロアに着いた途端、足元が『不安定』なのに気付き素早く体勢を立て直しその場にしゃがんだ。…此処はー。

 辺りを見渡すと、一面『グリーン』だった。どうやら、次は『メガフォレストフロア』に来たようだ。…ま、とりあえずー。

 俺は、『相手』から姿を隠す意味でバカデカい大木の極太枝から『フロートガン』を使用して降りる。

 そして、素早くその場所から離れた。…しかし、『情報班』と『イヌ』がサポーターなのはなかなかに厄介だな。…っ。

 移動しながら、改めて『相手』の手強さを感じていると……不意に『青空が投影された』天井から『観測』の気配を感じた。

 ー直後、頭上から『グレネード』が広範囲かつ大量に降って来た。

「(息つく暇もないな。)『モード・ロングバトン』」

 俺はその場所で足を止め、高速で武装を組み換え起動する。…無論、『躱せない事』もないが『別のトラップ』が仕掛けてある可能性も十分考えられるので、あえて迎撃する事にした。

「ー『乱回』」

 そして、俺はバトンを頭上で回転させ降り注ぐ『デンジャラスレイン』を四方八方に飛ばして行く。

 ー直後、周囲では『カオス』な状況が発生していた。…やっぱり、躱せなかったのは正解だったな。

 予想が的中しホッとしながら、俺は全てのグレネードを飛ばして行った。

 ーっと、ラスト。

 数分後、ラスト1個を飛ばし終えたのでロングバトンを背中にウェイトさせ再び走り出した。

『ーBOW!』

 駆け出してから数十秒後、『真後ろ』から『イヌ』が奇襲を仕掛けて来た。…やっぱ、『マグネ』から切り替えた途端に来たか。てか、さっきの『デンジャーな雨』も『サーチ』を発動する前だった事を考えると、『さっきの戦いの様子』もフィードバックされてるな。あー、本当にー。


『ーっ!?』

 彼らのあまりの『手強さ』…いや『頼もしさ』に、つい『楽しく』なってしまい俺は予備動作無しで『リミッター』を外しフロートを発動しつつハイジャンプをした。そして、木の枝に居た班員と鉢合わせになる。

「やあ、こんにちは。…もしかしなくても、『トラップ戦術』が得意なヴォルス中尉ですよね?」

『…お見事です。…まさか、こんなにも早く居場所が特定されるとは思いませんでしたよ』

 確認すると、中尉は驚きながら認めつつショックナイフとショックガンを取り出して構えた。

「ははは、単なる『カン』ですけど…ねっ!」

 俺は軽く返し……言葉の最後に合わせて高速で駆け出す。すると、中尉は冷静かつ正確にこちらにショックバレットを当てて来る。

 ー…スゲーな。流石『プロ』だけあって、『訓練』であっても一切の躊躇がない。

『っ!…高速のバレットをこうも容易避けるとは、本当に恐ろしい人だっ!』

 俺はその姿勢に敬意を抱きつつ、高速で迫るバレットを次々と躱して行く。…それを見た中尉は、驚愕と称賛の混じった感想を述べた。

「ありがとーーうっ!ございますっ!」

 俺は応えながら再度ジャンプする。…すると、当然中尉は『チャンス』と捉え『ワープ』で何かを移動させた。

『ーBOW!』

 直後、床に居た『イヌ』が頭上に出現し俺に飛び掛かかって来る。…残念、想定済みだ。

 俺は慌てずにバトンを分解し、ショックガンのトリガーを引いた。

『BOW!?』

『ーっ!させませんよっ!』

 当然、『イヌ』も空中なのでバレット躱す事は出来ずそのまま無力化されようとしていたが、中尉は直ぐに『イヌ』を再ワープした。…すると、命中直前の『バレット』も『ワープホール』に吸い込まれた。


『ーBOWwwwwww!?』

『なっ!?』

 直後、『イヌ』は感電しながら中尉の後ろに出て来た。…はあ、やっぱ俺は彼らほど『徹し切れない』な。

 そんな『イヌ』を見て、俺は心を痛めた。

『ーBO……W…』

 数秒後、ショックは収まり『イヌ』は一時的に『気絶』してしまった。

「ーとまあ、『ワープ』にはこんな弱点もあるんですよ」

『……。…ご教授、ありがとうございますー』

 すっと着地し、淡々と解説する。…それを聞いた中尉はやや唖然としながらもお礼を言って来てフラッシュグレネードを使った。

 …ふう、良い判断だな。

 閃光が収まると、彼らはその場所から姿を消した。…けれど、俺は直ぐに追跡を開始せずに再びマグネットバトンを組み上げる。

 ーそして、ヴァイオレットサイドをフォレストの方に向けゆっくりとその場で一回りしてみる。………っ!

 すると、一周する手前でイエローサイドが

 手の中で振動する。…『そこ』か。

 俺はニヤリと笑い、また大木から降りて『そこ』に向かってダッシュする。…お、『早い』。

 しかし、『観測』された為目指す途中で向こうは『移動』したようだ。…なので、再びバトンで『イヌ』に撃ち込んだ『バレットの波長』を頼りに探してみる。…いた。

 今度は、進行方向とは真反対に『反応』があったのでUターンして向かう。…っと。まだ、トラップがあるのかな。…ならー。

 さっき昇った大木を過ぎた辺りまで来ると、なんか『嫌な気配』を感じたので足を止める。…そして、胸ポケットから『コイン』を数枚取り出しバトンで四方八方に飛ばした。

 ー直後、トラップは次々に発動した。…危ない危ない。

 俺はわざとらしくホッとしながら、トラップを回収し『彼らの居る方向』に並べた。そして、『空間観測』の準備もしてー。


「ー『マグネバレット』。…そぉーーらっ!」

 最後にオーダーをコールし、ヴァイオレットサイドで思いっきりトラップを突いた。…直後、トラップはまるで『バレット』のように高速で『その方向』ぶっ飛んで行った。

「(ー残念でした。)せいやっ!」

 すると、向こうはまた『移動』するが……俺は『観測』を頼りに、『ライト方向』に向かってトラップを突いた。

 ー…おお。ギリギリでトラップを破壊したか。

 しかし、その方向からは音が聞こえて来たので多分命中はしなかったのだろう。…だが、これで向こうは『移動』を制限されたからー。

 そう考えていると、向こうは突如こちらに向かって来た。

「(…やっぱり、『純粋な戦闘』を仕掛けて来たか。)…はぁぁぁ。『剛突・四連』!」

 俺はヴァイオレットサイドで、残ったトラップを突きそちらの方向に並べた。そして、リミッターを外しトラップを『タイミングをずらして』激しく突き中尉の方にぶっ飛ばした。…まあ、『時間稼ぎ』くらいの役にしか立たないと思うが…。

 そんな予想を立てながら、俺はその場から素早く離れる。

 ー数分後、後方から激しい音が聞こえる。だが、俺は振り返らずに直進した。……?追って来ない?……っ。

 そのまま『目的』の場所に向かう途中、『追跡の音』が聞こえない事に違和感を感じ直後ハッとした俺は足を止める。…多分だが、このまま進めばトラップに引っ掛かかる可能性があるからだ。


 ーっ!『移動』した。…間違いなく、『直』で来る。

 俺はそう予想し、素早くバトンを分解してグラビティガンを『自分の足元』に構えトリガーを引いた。

 ー…っ。

『ーっ!?』

 直後、中尉は背後に出現するが『フィールド』が発生していた為動きが鈍くなる。

「ー『剛回』」

 その一瞬の隙を利用し、俺は既に組み上げていたロングバトンを振り返りながら背後にお見舞いする。

『ー…っ!?』

 しかし、直前で中尉は重力に従ってぐんっと姿勢を低くくした。…凄いな。

 俺は心底感動しながらロングバトンを分解し、フロートガンを高出力に設定した上でトリガーを引いた。直後、俺は重力に逆らって空中に浮遊した。

 そして、ショックガンも高出力に設定し『フィールド』に向けてトリガーを引いた。…すると、足元に強力な『マグネットフィールド』が発生しー。

『ーがっ!?』

 数秒後、中尉の背中に『最初に飛ばしたトラップ』が強襲し中尉は体勢を崩し床に突っ伏した。

「『フィールドキャンセル』。……『リピート』」

 それを確認し、グラビティガンに解除オーダーを出す。すると、マグネットフィールドはその場から消えた。…その上で再度、俺はグラビティガンのトリガーを引き離れた場所に降りたのだったー。


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