「…その『案内ボード』に、ヒントが?」
「ええ」
それに触れると、ボードは起動した。やっぱり、施設の電源は『分けられて』いるようだ。
「…さて、多分『そこまで読んでいない』んでしょうから『どうゆう順番』かだけ言っていきましょう」
「…ありがとうございます」
「助かるー」
配慮を口にすると、女性2人は少しだけ申し訳なさそうにしながらお礼を言って来た。…うん、大分『浸透』して来たな。
「…ホント、此処の『管理者』達は随分なファンだな」
「ですね。
ーまず、最初の『チェックポイント』は館内入ってすぐの『現代のエネルギー採掘方法』のコーナーだと思います」
「…マジか」
「…全然気付かなかった」
「……一体、『何』がスイッチになっていたんですか?」
『ストーリー』と照らし合わせながら最初の予想を口にすると、3人はぽかんとした。
「じゃあ、実際に見てみましょうー」
俺がそう提案すると3人は頷いたので、俺達は早歩きで入り口まで向かった。そしてー。
「ーさて、問題の『スイッチ』ですが多分『黄色モノ』か『エネルギーエフェクトアート』の近くでしょうね」
『目的の場所』にたどり着くと、俺は細かい予想を口にする。…最初見た時には『それらしいモノ』な見当たらなかったから、多分『良く見ない』と見逃す所だろうか?
「了解だ」
「分かったー」
「…えっと……」
そして、俺達は散らばりコーナーを隅々まで探索する。…すると、バンネットさんがー。
「ーっ!ブライトさん!ちょっと来て下さい!」
「はいっ!」
呼ばれたので彼女の元に駆け寄ると、当人はとある物を指差した。…それは、『エネルギーが採掘から家庭に届くまでの簡略図』だったのだが、そこには『予想したモノ』はなかった。
「(…でも、呼んだって事はー)…っ!」
勿論、彼女だってそれは分かっている筈だから『別の予想』を幾つか立てて再度それを見る。…すると、彼女の言わんとしている事を察した。
「…その様子だと、『アタリ』ですか?」
「ええ。…この説明ボードの中にある『アニマルパーク』がそうだと思います。…っ!」
ボードのその部分をなぞると、僅かに『触感』が違う部分があったので間違いないだろ。
「ー皆さんっ!ありましたっ!」
「「了解!」」
なので、一旦他の2人を呼ぶ。…そして、集まった2人は『そこ』をまじまじと見た。
「ー…うわ、これは分かりにくいね……」
「…良く気付いたな」
「…『サポーター』って『全部』アニマルの姿をしているって『話し』でしたから、もしかしたらと思ったんです」
2人は感心しながら彼女を見た。すると、彼女は若干照れながら返した。…そういえば、女史のクルーは『奪還ミッション』以降全員『ファン』になったんだよな。そして、そのほとんどが昨日までの時点で『サポーターの半数を手に入れた所』まで読み終えているらしいとアイーシャは言っていたが…。
正直、『凄いスピード』だと思う。
「…ちょっと待って。『もうそこまで』?」
「…『例の事件』から、そんなに経っていないのに…。…やっぱり、『情熱のあるファン』は違いますね……」
2人も同じ事を考えていたのか、しきりに驚いていた。
「…じゃあ、ここは発見者であり『熱烈なファン』である貴女が『スタート』するべきですね」
「…っ!…分かりました」
内心、俺は『同好の志』が増えている事に喜びつつ提案する。すると、『俺』の言葉に彼女は驚くが直ぐに表情を引き締めて『スイッチ』を押した。
「……なんか分かりやすい『レスポンス』があるかと思ったけど、ないみたいだねー」
「まあ、『アタリ』なのは間違いないと思うから次に進むしかないですね。
…で、次は何処に行けば良いんだ?」
「次は、『順路』とは反対のレフトサイドにある『採掘マシン』のコーナーでしょうね」
「…うわ、早速『イジワル』して来るねー……」
次の予想に、シュバルツさんは『うわー…』という感じの表情をした。
「分かったー」
そして、俺達は再び移動しそこに向かった。……?
移動中、俺は『なんとなく見られている気』がして後ろを振り返りそれから天井を見た。…しかし、そこにはカメラも『何も』なかった。
「…どうした?」
「(気のせい…じゃないな。まあ、今は放置で良いかな)いえ、大丈夫です」
当然ロックスミスさんは気にしてくれたが、とりあえず一旦スルーを決め俺は即座に首を振った。
ーそれから数分後。俺達は『採掘マシンコーナー』に戻って来た。
「…とりあえず、『ターゲット』を探そう。『さっき』のを考えると、此処こそ『黄色』か『エネルギー』か?」
「…それか、『デフォルメ』された『何か』でしょうかね?」
「…なるほど。…まあ、とりあえず私は『小規模プラント』の方を見て来るよー」
「じゃあ、俺は休憩コーナーを」
「では、私は『中規模』を」
「なら、『大規模』は任せて下さい」
そして、即座に担当は決まり俺はそこに向かう。…ふむ。
早速、目の前にある『大規模掘削マシン』のリトル模型と当時のフォトパネルを見てみる。…一応、説明文も見てみるか。
しかし、『それらしいモノ』はなかったのだが念のため解説パネルを読んでみた。…っ!
その最中、とある一文が目に留まった。それは、『大規模プラント用の採掘マシンの開発者』の名前なのだが……その『ファミリーネーム』に凄く見覚えがあったのだ。
ー…これ、『トラ』を預かっていてくれたあの所長さんのファミリーネームだ。……そういえば、『-トラ-と一緒に入手した-ロストチップの副産物-を-入手を手伝ってくれた技術者-に渡した』って書いてあったな。
そうか、それであの所長さんが『キー』を…。
「ーっ!『それっぽい』のがあったよー!」
「こっちもありましたっ!」
『理由』が分かりスッキリしていると、ロックススミスさんとシュバルツさんが『アタリ』を見つけたようだ。
「(なるほど…。…どうやら、一筋縄じゃ行かないようだ。)こっちもありましたっ!」
「こっちもですっ!…ただ、『複数』あるようですっ!」
頭を切り替え俺も報告すると、バンネットさんも報告をした。…やっぱりか。まあ、この説明ボードは『エアウィンドウ』だから当然か。
「…ブライトさんっ!シュバルツさんっ!
そっちのも、『プレシャス』に関連する『固有名称』か!?」
「はいっ!」
「確信はないけどねーっ!」
「…(となると。)ロックスミスさんっ!もしかして、スイッチは『色付き』で『3つのサイズ』がありますか!?」
「…っ!そうだっ!」
俺の確認に、彼は驚きつつも答える。…なら、『答え』は簡単だ。
「…あっ!良く見ると、『小規模』の案内ボードのウィンドウは『ブルー』だよっ!」
「…っ!こっちの『中規模』は、『ホワイト』ですっ!」
「私の所は、『ヴァイオレット』ですっ!
ーとなると、『ホワイト』の『ミドルサイズ』のスイッチ、『ヴァイオレット』の『普通サイズ』のスイッチ、『ブルー』の『リトルサイズ』のスイッチの順番で押して見て下さいっ!」
「分かったっ!」
ロックスミスさんはその順番の通りに押して行く。…っ!
最後のスイッチが押された瞬間、再び『何処2ら見られている』気がした。…しかし、相変わらず『場所』は分からなかった。
「ー相変わらず、『反応』は無しか」
「…ちょっと、不安になって来るねー……」
「…ですね。…ブライトさん?」
とりあえず、俺や女性2人はロックスミスさんの居る休憩スペースに集まった。…その際、バンネットさんは俺の様子に気付いた。
「…なあ、ブライト。
ー『何か気になる』のか?」
「(…一応、共有はしておくか。)実はー」
俺は3人に、先程から感じている『視線』に付いて話した。