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『UKY!UKYYY!』

「……」

 すると、『サル』は見るからに興奮した。…それを見たフェンリーさんは何やら考え込んだ。

「ーとりあえず、先に『好物』をあげちゃいましょう。

 ティータは奥のリフトに。フェンリーさんは真ん中のリフトに付いて下さい」

「了解だ」

「っ!はい…」

 2人は返事をして、指定されたリフトのコントロールパネルの前に立つ。それを確認した俺は、『好物』に釘付けの『サル』を見た。

「ーんじゃ、まずは左のを上げるぞ~」

『UKY!』

『サル』は元気良く返事をしたので、俺はリフトを上昇させる。…それを『サル』は、ガン見していた。

「ー…さあ、お食べ」

『UKYYYY!』

『許可』を得た『サル』は、『待ってました』と言わんばかりにその銀の両手よりも若干『小さな-それ-』掴んで、勢い良くかぶり付いた。…すると、『サル』はプルプルと奮え出す。

『ー………UKYYY~~』

 そして、『好物』から口を離した『サル』は天井を仰ぎ『なんかうっとりした鳴き声』を出した。…驚いたな。あの様子を見るに『含有率』の高い状態に仕上がっているな。

 ティータの『精製技能』に静かに驚愕する中、『サル』は残りを一気に平らげた。

『ーUKYYY!』

「…じゃあ、次はフェンリーさんの番ですね。

 さっき俺がやった手順でやってみて下さい」

 そして、『サル』が『次、次!』とねだって来たので真ん中のリフト担当のフェンリーさんに声を掛ける。


「…っ!は、はい…。

 ーそ、それでは真ん中のリフトを上げますよ~!」

『UKY!』

 そして、返事から少しして真ん中のリフトが上昇した。…にしても、『行儀良い』よな~。

 フリーになった俺は、改めてその『頭の良さ』驚く。

 ー普通、しっかりと調教をしなければあんなに行儀良くは待てないだろう。…だが、『サポーター』達は特に『何もしていない』のに素でああいう行動が出来るのだ。…それはつまり、『彼ら』は『高次元の知性』があるという事だ

 …いや、マジでー。

「ー…えと、召し上がれ!」

『ーUKYYY!』

 ぼんやりしていると、『サル』はリフトに乗った2つ目の『好物』に手を伸ばし食べ始めた。

 ーそして、数分後。


『ーUKYY~~~』

 3つの『好物』を食べ終えた『サル』は、とても満足しているようだった。

「ー『コンテナレッグ1』、『クローズ』」

『BLH…』

 なので、『ウマ』にコンテナを閉じさせドアに向かう。…すると、2人もこちらに近いて来るのだが、やっぱりフェンリーさんは『確信を持った表情』だった。

「どうやら、『だいたい察した』ようですね?」

「……っ。……あの、『これ』って『私が知っても』良かったんですか?」

「勿論ですよ。

 ーだって、貴女はもうカノープスの『クルー』なのですから」

『肯定』すると、彼女は怯えたように聞いて来た。だから、俺は笑顔で答えつつ外に出る。

「…っ。…いや、でも今は『サブ・クルー』ですよ?」

「…ああ、そういえばいろいろバタバタしていたせいでお伝えするのを忘れていましたね。

 ースクール卒業後、貴女には正式に『マイスター』になって貰いたいのですが……どうでしょうか?」

「…………へ?」

 後ろを着いてきた彼女は案の定困惑したので、追加で説明…というか『勧誘』をした。すると、彼女は一瞬固まる。

「ー………へ?」

「…ほう」

 そして、彼女は再度聞き返して来た。一方、それを聞いたティータはまたもや驚きはしなかった。


「…勿論、既にご両親には相談させて頂きました。

 ーその答えは、当主殿が『娘のスキルが-世界の為-に役立つ事が何よりも嬉しい。だから、どうか宜しくお願いする』。奥方様が、『実家を手伝って欲しいけれど、娘の意志が何より大事です』と。

「……お父様達が。……」

 すると、彼女は真剣に考え始める。そしてー。

「ー分かりました。謹んで勧誘をお引き受けさて貰います」

「ありがとうございます。

 あ、さっき言ったように『正式な手続き』は卒業後としますのでご安心を」

「…っ。ありがとうございます」

「ーいやはや、また善き場面に立ち会わせて貰ったな」

 すると、『2回』も立ち会ったティータは物凄く良い笑顔で感想を口にした。…いずれは、彼女も『そうなってくれる』と良いな。

「……『また』?もしかして、既にクルーの方がいらっしゃるのですか?」

「……あ」

 ふと、重要な事に気付いたフェンリーさんは確認して来る。一方、ティータは『しまった』という顔をした。

「(…大丈夫だとは思うが、原則彼女は『出さない』ようにしようかな?)

 まあ、いずれ顔合わせの場を設けようと思っていたので大丈夫ですよ。

 ーじゃあ、私達はこれで」

 内心でちょっぴり不安を抱きつつフォローを入れ、そそくさとルームを出ようとする。

「…あ、はい。…っ!あ、ちょっと待って下さいっ!」

 すると、彼女はふと俺達を呼び止めた。……これはー。

「ーすみません、すっかりお伝えするのを忘れていましたが……此処サードニスリにある、2つ目の『セブンミステリー』関連の施設の『裏』が取れました」

 予想通り、彼女は『情報』を提供してくれるのだったー。



 ○



 ーそして、数時間後。満点の星空の元、俺はフェンリーさんから教えて貰った『場所』に来ていた。

「ーあ、来た」

「お疲れ様~」

 すると、『1つ目』の時と同様にロックスミスさんとシュバルツさんがこちらに近いて来た。けれど、今回はもう1人ー。

「…えと、一応初めましてですので自己紹介をしておきますね。

 私は、兼業ハンターのルイゼ=バンネットと申します」

 そう名乗る、長いハニーブロンドをなびかせる女性ハンターのバンネットさんは丁寧なお辞儀をした。…ぶっちゃけ『サイバーチーム』をお願いする時に会っているので『2回目』なのだが。

「じゃあ、私も。

 秘宝ハンターのオリバー=ブライトです。今日は宜しくお願いします」

「任せて下さい」

 勿論、『その事』は口にも顔にも出さずにこちらも名乗る。…で、何で彼女にご足労頂いたのかと言うとー。

「ー…にしても、『首都勤務』の貴女が此処に来るとはね」

「…私も、お姉様に頼まれた時は驚きました。

 ですが、『貴女が適任です』と言って貰えたので不安はありません」

「…良いな~」

 とても嬉しそうに言う彼女に、シュバルツさんは羨ましいそうにしていた。…いや、ホント人をやる気にさせる『プロ』だな。


「良し。それじゃ、攻略を始めるとしよう」

「「「はい」」」

 すると、今回も現地リーダーとなったロックスミスさんは自分と俺達メンバーの気持ちを切り替えるべく手を叩き、オーダーを出したので俺達は返事をする。

「とりあえず、まずはー」

「ー了解です」

 そして、ロックスミスさんがこちらを向いたので俺は建物…『エネルギープラント博物館』の正面ゲートに近く。

「……?」

「…あ、そういえば『ルイゼっち』は初見だっけ」

「……一体、何がー」

 後ろで、女性2人が話す中俺はポケットから『コンパス』を出しゲートに向ける。

 ー直後、ゲートとドアのロックは同時に解除されそしてゆっくりと開いていった。

「ー……どうゆう事ですか?」

「まあ、簡単に言うと『コレ』がキーの役割を果たしているんですよ。…ちなみに、『キャプテン・プラトー』も『コレ』と同じ機能のアイテムを持っています。

 ー内緒ですよ?」

「ーっ!…勿論です。…なるほど、だからお姉様は『攻略には-時-が必要だと』仰っていたのですね」

 ちょろっと『嘘混じりの秘密』を話すと、彼女は真剣に頷いた。…いや、ホント『俺の都合に合わせて貰って』いるのに『騙す形』になるのは申し訳ないな。

「まあ、結果的にゆっくりな上に『猫ババ』に気を張らないで探索出来てんだから、俺は良いけどな」

「今までは考えられなかったよねー…」

「…ええ、本当に……」

 すると、ロックスミスさんは機嫌良く女性2人はうんざりしたように言った。…まあ、それだけ『そういう連中』に迷惑を掛けられて来たのだろう。

 そんな事を話しながら、俺達は建物に足を踏み入れた。



「ー…で、入ったは良いが『第0プラント』や『賢者の塾』みたく自動で『案内』してくれる訳じゃないのかな?」

 それから、薄暗い建物の中を注意しながら歩く事数10分。…俺達は、彼の言うように未だに『入り口』を見つけらないでいた。

「…どうやら、『4つ目』からは『レベル』が上がるようですね(となるとー)」

 俺はふと立ち止まり、『プレシャス』の内容をサルベージし始める。

「……?……彼ー」

「ーまあ、見てれば分かりますよ」

 当然、バンネットさんは疑問を抱くがすかさずロックスミスさんが『静かに』といったニュアンスを含んだ言葉を被せた。

「ー…そこまで気を使って貰わなくても大丈夫ですよ。…大体『数10秒』あれば『サルベージ』出来ますから」

「…マジで凄いよねー」

「…ああ。

 ーそれで、『どのシーン』に該当するんだ?」

「……あ、そう言う事ですか」

 それを聞いたバンネットさんは、そこでようやく納得した表情になった。…つまり、『案の定』だという事だ。

「…今回は、エピソード8の『3回目の危機を乗り越える』所が該当しますね(…あそこは、何度読んでも手に汗握ったな~)」

 思い出したせいか、俺はちょっと『緊張』しながら説明した。

「…ホント、良くパッと出て来ますね」

「愛読してましたから。

 …で、それが『此処』とどう繋がっているのかと言うとー」

 俺はそう言って、とあるモノに近いた。


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