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皇城

-…さて、まずは『アレ』だな。

 エレベーターを降りると、いつもとは違いバカデカイゲートは待ち構えてはいなかった。その代わりに、だだっ広い空間の中央に小さなコンソールがポツンと置かれていた。

 俺は『コンパス』を取り出しながらそれに近付き、そしていかにもな穴にセットした。

『-コアのセットを確認。

 -アサルトホーン-、-インフィニットファング-、-ダイビングスケイル-、-レスキューウィング-のログを確認。

 -それでは、-最後の確認-を始めます』

 すると、天井からアナウンスが流れると共にコンソールは床に収納され…っ!

 直後、目の前にあった壁は消え複数の『入り口』が姿を現した。…そう。これこそ、帝国が『5つ目の獣』を守る為に用意した『防衛システム』だ。…まあ、要するに『回収』するには『相応しい実力』を示せって事だ。

 さて-。

 ニヤリと笑いつつ、バックパックから入り口と同じ数の『ネズミ』…『EJ-01:スモールトルパー』の1チーム『リサーチトルパー』を出した。

「『ウェイクアップ』、『リサーチスタート』」

 そして、指示を出すと『リサーチトルパー』は調査を始めた。…っ!

 すると、さほど時間はかからずに『正解』は分かった。


「(-…右から2番目だな)『リターン』」

『帰還』のオーダーを出しチームを回収した後、俺は正解の入り口から中に入った。…っ!すると、入り口は突如ふさがり真っ暗になった。…しかし、俺は直ぐに右の胸ポケットに手を突っ込み『ツール』を取り出し起動する。

 すると、暗闇の中に明かりが灯った。…ふう、忙しいな。

 俺はワクワクしながら、トラ印の『ベッドライト』を装着し奥に進む。そして、しばらく進んでいると明かりが見えた。

 -しかし、次のフロアには奥に進む道はなかった。なので、一旦ベッドライトを停止してカノープスの『ゴーグル』に変えた。…さて、『どこかな』?

 ゆっくりと壁を見ていくと、右の壁に『反応』があった。だが、俺は直ぐには向かわず『バードガン』を取り出した

 そして、反応のあった場所目掛けてトリガーを引く。すると、『その部分』は数秒だけ上にずれ……-。

 -直後、僅かに開いた隙間から何かの機械が出て来て『黄色のビーム』が発射された。…うわ、エグいトラップだな~。

 若干引きつつトリガーから指を離す。直後、『機械』が引っ込んだ後に『入り口』が閉じた。どうやら、『特殊なセンサー』を搭載しているようだ。


 なので、『ショックガン』を取り出し再度バードガンのトリガーを引く。そして、すかさずもう1つの方のトリガーを引いた。すると、機械は瞬時に停止した。…これで良し。

 今度こそ俺は入り口に近付き、頭の装備を交換してからバードガンを使って『ドア』を開ける。すると、案の定先は真っ暗だったのでベッドライトを点灯し先に進んだ。

 -そして、しばらくは何事もなく進み3つ目のフロアに到着した。すると、今度は先に進む道があった。……怪しいな。

 しかし、俺は警戒を緩めずにゆっくりとフロアに入る。…『反応』は無し。つまり、どっかが開いて『何か』が出て来るって事はない…。…いや、ひょっとしたら-。

 俺は上を見る。…すると、天井から吊るされたランプの陰に『危険な反応』があった。そうなると、次に見るのは『スイッチ』だ。…まあ、多分先に進もうとすると『ドア』が閉じて『あれら』が襲って来るのだろう。…だったら-。

 直ぐに準備を整え、素早く移動する。そして、数秒で反対側のドア手前までたどり着いた。すると予想通りドアは瞬時に閉じ、同時に天井から大量の『武装ドローン』が降下して来た。

 だから、俺は直ぐに天井に向けて『グラビティガン』を放った。

 直後、ドローン達は『フィールド』によって高速で床に叩きつけられた。…しかし、ドローン達は大して壊れてはいなかった。…それどころか-。


 -っ!おいおい、『切り替え』が早いだろうよ…。

 なんと、ドローン達は飛行ユニットを収納し『自走ユニット』を展開しこちらに向かって来た。なので俺は、『スプリントスワロー』に再度乗り『スタート位置』に戻る。…まあ、当然『簡単』には行かせてくれないか。

 すると、ドローン達は止まり一斉に攻撃して来た。…だが、攻撃は全て『カウンターシールド』によって反射され『銃口』を次々と潰していった。…さあ、次はどうする?

 しかし、俺は油断せず『次』を準備しつつドローン達の動作に注視した。すると、ドローン達は『物理攻撃ユニット』を展開した。そして、自走ユニットを『獣の足』に変化させ飛び掛かって来た。

 しかし、俺はすぐさま『ショック・グラビティ』の2つのビームガンを組み合わせる。そして、『黄色』の方で襲い掛かって来るドローン達を素早く突いて吹き飛ばした。…だが、さほどダメージは入っていないのかドローン達は再び襲い掛かって来た。

「-『マグネット』」

 なので、俺は『紫』の方を一番近いドローンの群れに向ける。…すると、群れは瞬時にそして強制的にその先端『周辺』に引き寄せられた。…さあ、新武器『マグネットバトン』の御披露目と行こうかな?


 俺はそんな事を考えながら、『ハンマーベッド』となったドローン達を迫り来る『味方』に向かって振るった。…ビンゴ。

 直後、急速落下や電撃さえも無効化したドローン達に明確なダメージ…かなり大きな損壊が発生した。

 すると、残りのドローン達は直ぐに攻撃を止め1ヶ所に集まり『合体』した。…ほう、そう来たか。

 そして、1体の大きな『エネミー』と化したソイツはその巨体からは想像出来ない俊敏な動きで襲い掛かって来る。

「-『マグネットフィールド』」

 なので、俺は素早く黄と紫の順で床を突き後退しながら最オーダーを出した。直後、『フィールド』に入ったソイツは足が床に『くっつき』俺の手前でピタリと止まった。…さあ、後はゆっくりと『料理』するだけだ。

 俺はニヤリとしながら、バックパックから『ファングチルドレン』を数機取り出した。

「『ウェイクアップ』、『コネクターテイル』展開。ターゲット、『エネミー』」

 すると、『トラ達』は一斉にドローンに向かって行きそしてその体の至るところに尻尾を伸ばし『関節部』に『張り付けた』。…うわ、ホントチートなAIだよな~。

 若干引いていると、直ぐにドローンは動作を停止し合体も解除された。…すると、閉じたドアも開いた。…さあ、最後は何が待っているのかな?

 またしてもワクワクしながら、俺は先に進んだ。


 -そして、いよいよ最後のフロアに到着した。…あれは。

 すると、入って直ぐの所に『12のサポーター』のモチーフになった獣の像が『11体』置かれていた。そして、フロアの中心の床には円の図形と『12の方向』が刻まれていた。

『-その獣達の-眠っていた-場所は、とある場所を中心に見てみると1つの法則が浮かんで来る。…そして、その法則はキャプテン・プラトーにとっては-懐かしいモノ-だった。

 だから、まず彼は-』

 その瞬間、頭には『ノベル』の1節が浮かんだ。…となると、一番最初に動かすのは『ネズミ』だな。

 俺は『かつての彼』のように、一番小さなネズミの像を円の方に運ぶ。…確か、『一番上』だったな。

 記憶を辿りつつ『ネズミ』を置くと、何処かで『何かが動く音』が聞こえた。…んで、次は-。

 そして、再び像が並ぶゾーンに戻りそこそこ大きい『ウシ』の像をフロートガンで持ち上げ円の所に持って行く。…えっと、ネズミの右だったよな。

 像をそこに乗せると、フロアそのものが下がった。…んで、次は『トラ』だな-。


 -そして、次々に像を置いて行くと『フロア全体が明るく』なったり『円の部分が上昇』したたり、『隠れていた階段が出現』したり『残りの像』にキャスターが出現したりと様々な反応を見せた。…そして、ついに最後の『イノシシ』をネズミの左隣に置いた。…おぉ。

 すると、『5つ目の船』のモチーフとなる獣だけが居ない状況が出来上がりる。そして、下から物音がしたので確認すると、上昇したステージの土台の一部が開き『ドラゴン』の像が姿を現した。

 -っ!

 運ぼうとして像に触れた瞬間、気付けば俺は像と共にステージの上に立っていた。…ホント、『ノベル通り』だな。

 俺は物凄く興奮しながら、像を正しい位置に置いた。すると、周囲の壁も立っていたステージもゆっくりと消え去った。

 直後、フロア自体がまるで『格納庫』のような場所に『変化』した。…そういう事だったのか。

 そして、気付けば目の前に今まで回収した『ウシ』、『トラ』、『ヘビ』、『トリ』の4つの船が専用のスペースに収まっていた。…つまり、俺は『ドラゴン』の中で『テスト』を受けていたのだ。

 その事実に、俺は最高に興奮した。


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