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【kindleでリメイク版発売中】VTuber・オンライン・シンフォニア ~限界オタク系個人勢底辺配信者がVR(以下略)
ナイカナ・S・ガシャンナ
ゲーム配信・ゲーマー
2024年08月12日
公開日
38,711文字
連載中
【正式タイトル】
『VTuber・オンライン・シンフォニア ~限界オタク系個人勢底辺配信者がVRゲームで敏捷値極振り×弓使いでガンガン売っていく話~』



■kindleでリメイク版発売中■
詳しくはマイページのURLをどうぞ!



【前置き】
この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。作中に登場する動画サイトもY○uTubeではなくYabeeTubeという別サイトです。予め御了承下さい。

……何? タイトル? 「VTuberがオンラインなのは当たり前」だって?


こまけぇこたぁいいんだよ!


オンラインって書いてあった方がVRゲーム感ありますよね。



【こういう方にオススメの作品です】
・Vtuberが気になっている
・VRゲームの話を良く読む
・極振り? ときめくね
・戦闘は辛勝する方が燃える
・黒髪合法ロリ巫女服という単語に反応せざるを得ない
・限界化しているオタクを見ると「同志」と呼びたくなる
・女の子同士が仲良くしていると心が躍る
・クトゥルフ神話が混ぜられていると楽しい



【簡単なあらすじ】
二倉すのこは個人勢のVTuberである。チャンネル登録者数は50人弱。
人気低迷に悩む彼女はある日、最推しが広報担当を務めるというVRゲームに目を付ける。これに参加すれば人気上昇が望めるのではないか、更には推し達のてぇてぇ絡みが間近で見られるのではないかと。
かくして彼女はVRゲーム『旧支配者のシンフォニア』に挑む。そして始まる他VTuberとの交流、数々のイベント。その中で彼女はチャンネル登録者数を倍々に増やしていく。更には最推しの秘密も知る事になって……!?

※小説家になろう、ノベルアップ+、アルファポリス、カクヨムにも掲載しています。

#1 少女の名は二倉すのこ

 一人の少女がに追い回されていた。


「ああああああああああああああああああああ!」


 少女がいるのは茫々ぼうぼうに伸びた草原の真っ只中だ。その草原の端から端まで聞こえる程に彼女の絶叫が響いている。

 長い黒髪の娘だ。外形年齢は十代前半。上には白い小袖を、下には緋色の袴を纏っている。いわゆる巫女装束だ。しかし、厳格な巫女装束とは異なり、肩部に布はない。首には勾玉のネックレスが飾られている。

 現代人として見ればコスプレでしかない格好だ。しかし、この世界で彼女の衣装は別段珍しいものではない。


「ああああああああああああああああああああ!」


 少女の後方には巨大な影があった。城だ。赤い屋根の尖塔が五つ聳える、石煉瓦の洋城だ。小さめなので砦と言っても良いかもしれない。

 そんな小城が床下から石造の脚を生やして草原を走っていた。動く城だ。城が追い掛けている相手は当然、黒髪の少女である。悪夢のような光景だ。


 ここは現実の世界ではない。なんとVRゲームの中なのだ。剣と魔法と和風が入り混じったハイ・ファンタジー世界。故に少女の服装も城が走るのも何も不思議ではない。しかし、追い掛けられている少女にとって今、現実だの仮想だのの線引きは意味を成さない。


 追い付かれれば踏み潰される。それだけだ。


「ああああああああああああああああああああ!」


 この逃げている少女こそが私――二倉にぐらすのこである。

 私が私の容姿をしっかりと説明出来たのもここがゲームの世界であり、私が私を俯瞰ふかんカメラで撮影しているからだったのだ。


 何故私がVRゲームをプレイしているのか。

 何故私が動く城になんぞ追われているのか。

 その答えはただ一つ――撮れ高を作る為だ。


「ああああああああああああああああああああ!」


 走る。走る。走る走る走る走る。必死になって私は走る。死にたくない、潰されたくないという思いで足を動かす。

 しかし、どれ程走ろうとも城からは逃げられない。否、逃げられないどころか段々と近付かれている。私よりも城の方が歩幅が大きいせいだ。どんなに駆け足バタ足をしようとも一歩一歩が大きい城には敵わない。

 ついには私は城に追い付かれ、


「ああああああああああ――――あ」


 プチッとあっけなく踏み潰された。




 何故私が城に追い掛け回されるハメになったのか。

 話の始まりは一ヶ月前にまで遡る――――

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