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鬼神の嫁~村一番の器量良しとして村の鬼神様に見初めらた筈の私は実は鬼神様とは深い縁で結ばれていました~
クラウン
恋愛結婚生活
2024年08月10日
公開日
13,965文字
連載中
あるところに鬼守村という鬼神を守り神として奉った村があった
その村に住む出雲紬は小さい頃に両親を亡くしたがそれでも腐ることなく育ち無事16歳になり成人を迎えた
成人してしばらくした頃にいきなり村を守る鬼神様から婚姻を申し込まれる
理由を聞けば村一の器量持ちだからというどうしようもない理由だった
それでも村の守り神からの申し出を断ることも出来ず紬は鬼神の元へと嫁ぐことになる
最初は嫌々だった紬だったが鬼神と寝食を共にするうちに鬼神の優しさに触れ村で恐れられているような怖い神様ではないのではないかと紬は思うようになる
そこで紬は鬼神と村人の架け橋に自分がなれるのではないかと考えるようにななった
そうして鬼神と暮らしているうちに紬は自身と鬼神の昔から繋がる切っても切れない因縁を知ることになる
これは人と神の種族を越えた純愛の物語

プロローグ

 雅楽の演奏が響くなか御社殿に向かう行列と一緒に歩を進める

 白無垢を着た私の隣に新郎はいない

 着いた本殿で私を待っていたのは紋付き羽織袴を着た2メートルはあるであろう身長の顔の上半分を鬼を模した面で隠した男だった

 巫女が舞うなかを歩き隣ではなく少し後ろに立つ

 それを確認するかのように男はこちらをちらりと見やるが面のせいで表情は読めない

 全員が入場したのを確認して斎主が祓詞を唱えて清めのお祓いを受ける

 続いて祝詞が唱えられ誓杯の儀がとりおこなわれる

 大中小の杯で交互にお神酒をいただく

 そして男は誓詞奏上の言葉を読み上げ始めた

「今日この日、我が奉られし鬼神神社において式をあげ出雲紬を我の嫁とする、これからも変わらずこの鬼守村を守っていくことをここに誓う」

 そう、この日私は村を守る鬼神の嫁となったのだ

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