目次
ブックマーク
応援する
いいね!
コメント
シェア
通報
ELEMENT'S the Flower Master ~花咲かす少女と残酷なこの世界~
綿涙粉緒
現代ファンタジー異能バトル
2024年08月10日
公開日
12,501文字
連載中
2100年代初頭。
突如世界中で発生した異能の新人類「エレメンツ」

その、発生理由も原因も分らない、脅威的な能力を持つ新人類の登場で、
世界は、安全という名の現実と博愛という名の理想との間で苦悩していた。

結果、人類は、博愛という理想から目を背け安全という名の現実を選択する。
常人には太刀打ちできない異能の力を行使しうるエレメンツ、その迫害という現実を。

そして、エレメンツ発生から約40年。
辛酸と苦汁を舐めるエレメンツたちから目を背け、平和に生きる少女が一人。

少女の名は田辺美咲、16歳。
恋も勉強もおろそかにして陸上に青春を燃やす、ちょっとお馬鹿な女子高生。

ところがある日、その美咲もまた高校のエレメンツ検査によってエレメンツであることが発覚してしまう。
しかも、脅威の度合いである能力グレードは7段階の7。

それは、圧倒的人類の脅威。

その瞬間、迫害されるものとして田辺美咲の闘いが始まった。

純喫茶ニルヴァーナに集う、エレメンツたちと共に。
ただ、自分らしく生きるための戦いが。

ELEMENT'S

●UNEPO (国連エレメンツ保護機関)発足における誓約 

 ※2101年採択


われわれはここに、人類に降りかかったかかる災難を試練とし、ひとつの機関の発足にいたった。


われわれは、かつて、強毒をもつ感染病者を国際社会が一致して隔離したときのように、エレメンツと呼ばれる悲しき人類の亜種を、深い慈愛と憐憫を持って隔離し、か弱き一般の人類の生命と幸福を守るべく全力を尽くすことをここに誓約する。


またわれわれは、われわれの生命と幸福のために、不可避の不運によってエレメンツとなり、一般社会から引き離された者たちへの、感謝と慙愧を決して忘れないことも、また、ここに深く誓うものである。




●世界エレメンツ保護三原則 

 ※2104年採択


・エレメンツを用いて人体実験してはならない。

・エレメンツであることを理由に殺害してはならない。

・エレメンツを軍事に利用してはならない。




●世界エレメンツ抑制宣言

  ※2124年採択


われわれ健全なる人類は、普遍の価値を持つ世界エレメンツ保護三原則に反しない限り、脅威となるエレメンツの人権を剥奪しなければならない。


エレメンツの持つ超常の力の前には、われわれ健全な人類はあまりに脆弱であることを深く認識し、彼らのその脅威と罪が、不可避かつ未解明の不可抗力によってもたらされた能力にあるのだと言うこと心に刻みつつ、彼らエレメンツを、悲しみを持って抑圧しなければならない。

コメント(0)
この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?