「うわぁあああああ!!!!!」
おしっこマンは暴れる。だが、黒い毛むくじゃらの手は彼を離さなかった。おしっこマンはおしっこを空中にまき散らしながら、窓の外へと連れ去られてしまった。
「何? 何なのあれ?」
「もう嫌。帰る」
「嫌だ嫌だ嫌だ!!!」
「助けて!!!」
クラスメイト達は半狂乱になりながら、次々と出口に殺到した。
ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン!!!!!
「開けて! ねえ開けてよ!!!」
「開けろ!! 開けろ!!!」
ドガシャン!!!
教室の引き戸は、前に倒れた。そのまま、クラスメイト達は将棋倒しになる。
下の方の人たちのうめき声も聞こえない様子で、つぎつぎと廊下にクラスメイト達が走っていく。
その様子を涼しい顔で、見ている女がいた。
「百物語のルール」