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空を見る⑨

 それからは、夜になるたびにその洋館に通って女の人を見に行きました。


 女の人は、いつもバルコニーに立っていて星空を眺めていました。風が吹くと、彼女の長い髪がさらさらと揺れて、僕はドキドキしました。


 そんな生活をしばらくつづけていたら、新学期になりました。そのころにはもう、授業中にも、休み時間にも、宿題をしているときも、お風呂に入っているときも、ずっとずっと、女の人のことが気になって仕方がありませんでした。


 彼女に会って話をしてみたい! もう我慢が出来ませんでした。


 その日、学校が終わってすぐに家に帰らず、小高い山を登ってあの大きな洋館に行きました。


 彼女は、相変わらずバルコニーにいました。

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