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空を見る⑦

 その洋館は、古いけれど重厚感のある佇まいをしていました。まるで、実写版『美女と野獣』に出てくる野獣の住んでいるお城みたいでした。


 洋館のバルコニーから屋根にかけて、はしごがかけてあって、そこから屋根の上に登ったら綺麗な星空が見えそうでした。


「ここ、さすがに誰も住んでないだろ」

 洋館の外壁に絡まる蔦を見ながら、お父さんは言いました。


「でも……もし人が住んでたら中に入るのは悪いよ」

 中に入ろうとするお父さんを止めました。


「ドア、鍵かかってないぞ」

「……え? ほんとだ」


 お父さんは、ずんずんと、洋館の中に入って行ってしまいました。


「お父さん、待ってよ!」

 追いかけようとしたとき、上の方から視線を感じました。見上げると、バルコニーに女の人がいました。


「お父さん出てきて! 人住んでる!!」



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