小高い山は、当時僕が通っていた小学校の教室の窓からでもうすく見えました。だから、よく眺めていましたが、登ったことはありませんでした。
たぶん、友達も誰も登ったことがある人はいなかったと思います。なぜなら、山道の入り口に小さな鳥居があるからです。
なんとなく、神聖な場所のような、汚してはいけない場所のような気がしていたのです。
でも、おじさんの言葉が気になって、その小高い山に登ることにしました。お父さんは黙ってついて来てくれました。無宗教の人でよかったと思いました。
山頂に着くと、おじさんが言っていたとおり、大きな洋館が立っていました。