「星空は、綺麗だろう」
身構えた僕は、拍子抜けしました。おじさんは、僕の隣にしゃがみこむと、静かに星空を眺めはじめました。
「ここより、もっと星がきれいに見える場所があるんだ」
そういえば、一番最初におじさんに会ったときもそんなことを言っていたような気がします。
「ここから東に行った竹藪のとなりの鳥居から行ける小高い山の頂上に、大きな洋館があって、そこの屋根の上が一番、星空がきれいに見えるんだ」
僕は
「うん」
とだけ返事すると、満足したのかおじさんはどこかへと言ってしまいました。
しばらくして、お父さんが星座盤を持って走ってきました。星座盤は、泥だらけでしたが洗ったらまた使えるようになりました。