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空を見る③

 つぎにおじさんに会ったのは、はじめておじさんに会った日の半年後くらいでした。


 その日は、学校の夏休みの宿題で、夏の星座を観測するためにお父さんと一緒に外に出ました。


 僕が星座盤を無くしてしまって、お父さんは『父さんが探してくるから、そこで待ってろよ』と僕を置いて、探しに行ってしまいました。


 しばらく夜風に当たりながら、芝生の上に座り込んで星空を眺めていたら、おじさんがやってきました。


「ねぇ坊や。久しぶりだね」

 夜だったし、何かをされるんじゃないかって、怖くて鳥肌が立ちました。でも、お父さんにここで待ってるように言われたので、動けませんでした。


 おじさんは、僕のほうを見てドロリと笑いました。人間の笑顔に対して使う言葉ではないことは分かっています。でも、そう形容するしかない笑みでした。とても、不気味でした。

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