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出席番号6番 石谷光貴

「つぎは僕の番だね」

 石谷はテニス部に入っていて顔は良いのだが、無口でいまいち何を考えているか分からない。いつも一人でぼーっと窓の外を眺めていて、そのため全然モテなくて、もったいないなと常づね思っている。


 まぁ、今は多様性の時代だから彼のセクシャリティーも分からないし、『モテ・非モテ』に価値を置いていないのかもしれないので、もっとみんなと仲良くした方がいいよ! などとアドバイスするのも野暮ってものだろう。


 閑話休題。


「その日、学校が休みで、僕はいつものように空を眺めてたんだけど」

 でた。不思議ちゃん! 口から出そうになったけど口をふさいで言葉を飲み込んだ。


 百物語ルール

 ニ、語り手の話を阻害してはならない


 にあやうく抵触してしまうところだった。


 窓の木枠は、相変わらずガタガタガタガタと震えていた。



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