目次
ブックマーク
応援する
いいね!
コメント
シェア
通報
開かない扉

「え……?」

「何で!? 何で開かないの!?」


 一生懸命引き戸を開けようと頑張る二人を見ていたら、他のクラスメイト達もざわざわしだした。


「百物語は、もう止まらないのよ」

 霊子は怪しげな笑みを浮かべた。


「じゃあ、どうすりゃあいいって言うのよ!」

「座りなさい」


 氷のように冷たい声と表情だった。渡辺霊子……コイツは本当に人間なのか?


 ガタガタガタガタと、再び窓の木枠が震え出した。

コメント(0)
この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?