「え……?」
「何で!? 何で開かないの!?」
一生懸命引き戸を開けようと頑張る二人を見ていたら、他のクラスメイト達もざわざわしだした。
「百物語は、もう止まらないのよ」
霊子は怪しげな笑みを浮かべた。
「じゃあ、どうすりゃあいいって言うのよ!」
「座りなさい」
氷のように冷たい声と表情だった。渡辺霊子……コイツは本当に人間なのか?
ガタガタガタガタと、再び窓の木枠が震え出した。