「これで、私の話は終わりです」
石田はふーっとろうそくの火を吹き消した。
「なんかずるくない?」
「これじゃあ、真面目に話考えて来た私たちが馬鹿みたいじゃん」
「ねー。やってらんないわ」
「うちら、やめたから」
「ちょっと待ちなさいよ!」
教室を出て行こうとした二人を、霊子が呼び止める。
「アンタたち、分かってるんでしょうね。途中で百物語を中断したら、呪われるわよ!」
「あははは、バカバカしい!」
「これだから電波女は」
「行こ行こ」
「うん」
二人は霊子を馬鹿にして、教室を出ようと引き戸の取っ手に手をかけた。
「あ、開かない……!」