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桜と肉⑨

「これで、私の話は終わりです」

 石田はふーっとろうそくの火を吹き消した。


「なんかずるくない?」

「これじゃあ、真面目に話考えて来た私たちが馬鹿みたいじゃん」

「ねー。やってらんないわ」


「うちら、やめたから」


「ちょっと待ちなさいよ!」

 教室を出て行こうとした二人を、霊子が呼び止める。


「アンタたち、分かってるんでしょうね。途中で百物語を中断したら、呪われるわよ!」


「あははは、バカバカしい!」

「これだから電波女は」

「行こ行こ」

「うん」


 二人は霊子を馬鹿にして、教室を出ようと引き戸の取っ手に手をかけた。


「あ、開かない……!」

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