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桜と肉③

 その日の夜、Aさんは風呂に入っていると、後頭部を何かに殴られた衝撃を感じた。そして次に、床に何かが落ちる音。



――ぼとり。


 振り返ると、肉塊が。昼休みに桜の木の下で見た肉塊より少し小さかった。ピンク色で、やっぱり、ところどころに血管が浮き出ていた。


 Aさんは絶叫しながら風呂場を出た。体を洗ってる途中だったのに、ろくに流さずに、体も拭かないでびしょびしょのままパジャマを着て、母親に訴えた。風呂場に肉塊がある……と。


 母親は「虫かなんかを見間違えたんじゃないの?」って風呂場に入って行った。しばらくして、「何もないじゃないの」って呆れたように言った。そんなはずはない、さっきたしかにそこに肉塊があったのに。


 Aさんは、疲れているから幻覚を見たのだと納得し、今日は早く寝ることにした。でも、なかなか寝付けなかった。そうこうするうちトイレに行きたくなって、ベッドから出た。ベッドから足を出した瞬間、


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