目次
ブックマーク
応援する
いいね!
コメント
シェア
通報
しらないおじさん③

 私は本当に、本当にびっくりして、大声で悲鳴を上げて尻餅をついてしまいました。


 カーテンを閉めて、入ってきませんように、入ってきませんようにと何度も何度も念仏のように唱えながら、テレビをつけて大きな音でテレビ番組を見ました。


 このときほど、早くお父さんとお母さんが帰って来てほしいと思ったことはありません。


 七時になったので、私は夜ご飯を食べようと席を立ちました。ふと、窓の外が気になってカーテンを開けてみて、また悲鳴を上げてしまいました。


 おじさんは、まだ外にいたのです。こっちをじっと見ていました。怖くて、怖くて、カーテンをきっちりスキマないように閉めて、心臓をバクバクさせながらその日を過ごしました。


 お母さんが作り置きしてくれたごはんがほとんどのどを通らなかったし、お風呂に入るときは今ここで襲われたらどうしようと思ったし、布団に入っても全然寝付けませんでした。

コメント(0)
この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?