「こっくりさん、こっくりさん。私の弟の好きなVtuberを教えてください」
「あ、私知ってる」
十円玉が再び勝手に動き出す。
「る」
「ん」
「ち」
「よ」
「ま」
「るんちょまだって。当たってるね」
「うん」
「じゃあ、次は何を聞くの?」
AさんはBさんのことをじっと見ました。実は、こっくりさんをやろうと言い出したのはBさんなのです。Bさんが、少女雑誌のふろくのこっくりさん表を家から持ってきて、Aさんを誘ったのでした。
「アンタ、何か聞きたいことがあったからこっくりさんやろうって言いだしたんじゃないの?」
「……うん」
Bさんは、恥ずかしそうに俯いて、それから口を開きました。