AさんとBさんは、友達同士です。ある日の放課後、二人はこっくりさんをすることになりました。
十円玉を用意して、こっくりさんに答えてもらうための文字の書かれた紙――少女雑誌についていた付録のものです。それを使ってこっくりさんを呼び出しました。
「こっくりさん、こっくりさん。どうぞ、おいで下さい」
放課後の教室は、二人以外に誰もいなくて、グラウンドでは野球部の練習する声だけが響き渡っていました。
「こっくりさん、こっくりさん。そこの窓西の窓からお入りください、入られましたら『はい』へお進みください」
二人がそう言うと、十円玉は『はい』へと自動的に動きました。