自分の病室があった階まで戻って来た。走ったので、そう時間はかからなかった。ふと、美味しそうな匂いがした。上の階からだ。私は全速力で走り出した。
階段を上ると、彼女がいた。会いたかった!
彼女はとても驚いた顔をした。私は彼女に駆け寄ると抱きついた。
「会いたかった」
「私もよ」
「ずっと、貴方の話を聞いていたよ。それだけが、私の唯一の楽しみだった。」
「治ってくれるって、信じてたわ。本当に、うれしい」
私は彼女の涙をぬぐった。
「今日はあなたの大好きなハンバーグを作るわ」
さぁ、私たちの家へ帰りましょう。と彼女は手を差し出した。
見覚えがあるような、ないような家に着いた。
「まだ完全に記憶が戻っていないのね。でも、きっとそのうち思い出すわ」
と彼女は言った。彼女のハンバーグが食卓に並べられた。ああ、おいしい。おいしい。おいしい。おいしい。おいしい。