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プロローグ②

 廃墟になった旧校舎は、しんと静まり返っていてまるで異世界の建物のようだった。


「うわぁ……きったなぁ」

「靴、そのままでいいよね」

「いいんじゃない。だって秋になったら取り壊されるんでしょ」


 わいわい言いながら、私たちは埃まみれの旧校舎に足を踏み入れた。




「この教室、一番きれいだよ」

「じゃあ、そこでやろうよ。百物語」

「うん」

「おっけー」

「さんせーい」



 こうして私たち二年三組のクラスメイト達は、百物語をはじめたのだった。



 このあと、惨劇に巻き込まれるとも知らずに――。

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