――7日目
今日は一人で学校へ行く。
いつもは一人でも平気だったのに何かが抜け落ちたように感じてしまう。
教室に入ると当然周囲から「美玖ちゃんはどうしたの?」と聞かれ、俺は正直に「CMの撮影で二日は戻ってこない」と伝える。
クラスメイト達は納得しつつ、俺に色々と美玖について話し掛けてくる。
俺は答えつつ、自分のことも聞かれるので答える。
ゲームの話になると盛り上がったり、いつの間にか違う話で花を咲かせていることに気づいた。
しまいには、今度遊ぼうという約束までしてしまう。
いつの間にか、俺はぼっちでなくなっていた。
これも美玖のおかげに違いない。
それに俺も以前より前に進もうとして嫌な顔せず接したこともあるのかもしれない。
本当に感謝だな……美玖には。
俺はそう思う中、ちらっと隅の席に座る井上が視界に入る。
奴は首のコルセットは取れており、俺の方をじっと見つめていた。
なんだろう……睨まれているような気がする。
美玖がいないから、また絡まれるかもしれない。
けど、そん時はそん時だ。
俺はもう怯えたりしない。
何かあっても抵抗してやる。
心の中で意気込む俺。
だが結局、その日は井上から声を掛けてくることはなかった。
家に帰ると、美玖から連絡が入る。
仕事も順調に終わり明日には戻れるそうだ。
『……シンシンに会いたいよ』
「俺も会いたい……」
遠く離れても、お互いの気持ちは通い合う。
少し前の自分では考えられないほどの素直な気持ち。
美玖のおかげで、俺は自分と向き合えるようになった。
生きていることに希望が持てるようになったと思う。
◇◆◇
【芯真が死ぬまで、あと3日】
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