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0173 道路で水着ショー

「じゃあ、まず装着の仕方だ」


「はい」


「そのコスチュームで変身出来るのは、それぞれの主人と俺だけだ。カクさんブルーを借りるぜ」


「はっ」


「オイサスト! シュヴァイン!」


俺がいつもの掛け声を言うと、ヒーローコスチュームから青い糸がのび、服が消えて、青いデブで魚人タイプのアンナメーダーマンが出来上がった。


「すごい!!! かっけーー!!!」


四人が驚いている。


「ヒーローコスチューム、まあスーツだな。このスーツはゲームとか小説で有名なゴーレムだ。生命がある。主人に合せて形状が変わる。つまり俺みたいなデブでも着用出来るしカクさんの体にもぴったりフィットだ。でも一瞬下着が見える。まずは見えてもいい水着を着てくれ」


俺は四人に水着を出した。

スケさんとカクさんのいい男コンビには、ピッチピチのパンツタイプ。

そして、美女の二人には、超エロい水着を用意した。

どこで誰に見られるか分からない。サービスを忘れないよ俺は。


「ちょ、ちょっと待ったーー。な、何ここで裸になっているのですかー!!」


やべーー。後ろ姿だけど、響子さんのお尻を見てしまった。

すごくプリッとした、美しいお尻だ。

カノンちゃんは、まだ未成年の可能性がある。

下着姿まででギリギリセーフだ。


「あら、あら、私は全然気になりませんよ」


響子さんが言うと四人がうなずいている。

そうでした。この四人は全員女性でした。


「そうか、俺が反対を向いていれば良いのか。俺は反対を向く、それからやってくれ」


「はーーい!!」


良い返事だ。嫌な予感しかしない。


「いいわよーー」


は、速い。

まあ、でも、良いと言われたのだから見て見よう。


「うわぁーーーーーーーーー!!!!


やられた。

全員水着を着けていない。

手で隠している。

スケさんとカクさんが、胸を隠しているのが気になって、他が何も目に入らなかった。


「えっちーー!!!!」


四人が悪戯っぽい声で言いやがった。

スケさんとカクさんまでノリノリだ。


「えっちー! じゃねえ、何てことをするんだー。うっかり見てしまったじゃねーかーー!」


俺は、もう一度反対を向いた。


「うふふ」


笑っている。

全員楽しそうだ。

それなら、まあいいか。


「今度は、本当に大丈夫。どうぞ!!」


「うおおおおおおおおおーーーー!! すげーーー!! 全員似合っている」


響子さんもカノンちゃんも超絶小さい紐のビキニだ。

わざわざ回ってくれたが、お尻はほぼ全部出てしまっている。


――いいじゃないか。


響子さんは大人の魅力、カノンちゃんは美少女の魅力がたっぷりだ。

美しい。まるでフギュアか彫刻のようだ。

胸が小ぶりなのも丁度良い。


「……」


四人が無言で、赤くなってうつむいた。


「じゃあ、言ってみてくれ」


「オイサスト! シュヴァイン!」


四人のアンナメーダーマンアクアが誕生した。


「変身は終ったね。では、説明しよう」


「はい」


「その、スーツには、空気魔法と温度調節魔法が付与してある。火も出せるし、カマイタチのような空気の攻撃も出来る。その付与のおかげで、スーツの中がいつも快適な温度で水の中でも息が出来る」


「ファイアーー!!」

「エアーカッター!!」

「すげーーー!!!」


四人が試し打ちをしている。


「さらに、武器と防具が装備してある。攻撃用の武器がミスリル製。防具は超強度のアダマンタイト製だ。この武器も防具も命を吹き込んだ、つまりゴーレムだ。自由に形状を変える。そして武器には、水魔法と収納魔法を付与した。水魔法は体を洗ったり、飲んだり、凍らせて武器にしたり出来る。成分は富士の湧水だ」


「ハンドソード!」

「スネークウィップ!」

「アイスジャベリン!」

「シールドクリフ!」


それぞれが武器と防具を変化させ、腕に剣をつけたり、蛇のような鞭に変化させたり、水を凍らせて投げやりにして飛ばしたり、盾で壁を作ったりした。


「収納魔法には、すでに回復薬と治癒薬、そして食べ物を標準装備した。足りない物はあとから自分たちで収納してくれ」


「か、回復薬って、リポビタ……」


「それに俺が魔法をかけた。飲むと状態異常が回復する。眠気や空腹なども治る。ペロリとなめる程度で効くからな。あと、トイレとかも行かなくて済むぞ」


「すごーーい!!!!」


「あと、忘れてはいけないのがステルス機能だ。透明になれる。そして空も飛べるぞ。そして、そして、アシスト機能だ。走る速さも攻撃力もパワーアップだ。あとは自分たちで試してくれ」


「すげーーー!!」


出たり消えたりしている。


「最後に二つ憶えておいてくれ、そのスーツは普通の人に対しては殺人兵器になる。手加減を間違えないでくれ。そして、ハルラの幹部クラスには互角かパワーアップしていれば負ける恐れがある。逃げる為のスーツと考えて欲しい。いいね」


「はーーい!!!!」


こ、この返事の時は駄目な奴だ。


「本当に逃げてくれよ」


「はいっ!!!!」


よし、今度は良さそうだ。


「ここから先は、その上に服を着て、それを標準装備にしてくれ。一応解除すると青龍のかわいいマスコットになるからそれも憶えておいてくれ」


「フェイスオープン!!!!」


頭の部分をオープンにして顔を出した。


「あと、女性の二人は体のラインを男にしてここから先は男装だ」


「はい!!」


四人はスーツの上に服を着た。

このスーツは体にぴったりフィットなので服も違和感がない。

響子さんとカノンちゃんは、男物の服を着てもらった。

髪も短くしてもらった。

少しかわいすぎるが、男に見えなくもない。


「良し、準備完了だ。じゃあ、スーツになれる為に鬼ごっこをしよう。二分間俺が道路上を逃げる。捕まえてみてくれ。捕まえられたら、何でも言うことを聞いてやる。スタートだ!!」


俺は、勝手に言って、勝手に逃げた。


「ああっ、ずるい!!」


四人の目の色が変わった。

必死で追いかけてくる。

ひっ、必死過ぎるだろう。


「はあ、はあ、はあ、はあ シュウ様はすごすぎます」

「四人でかすることも出来なかった」


響子さんとスケさんが言った。カノンちゃんとカクさんがうなずいている。


「うん、まあまあだね。初めてにしてはよく動けているよ」


こうして、スーツの試運転も終わり、伊勢本街道の先を急いだ。

桜井にさしかかる国道の合流地点で、とうとう招かざる客が来た。


「おいおい、楽しそうじゃねえか」


あっという間に男達十人以上に囲まれた。

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