「よーし、帰ろうか」
俺は、皆の食事が終るのを待って声をかけた。
「帰ろっかって、えーーーーーーっ!!!!!!」
ミサが驚いている。
全員がその声に気が付きまわりを見渡した。
「わあああああぁぁぁぁぁーーーーー!!!」
全員が驚いている。
「き、消えている。全て消えている」
広大なトウモロコシ畑から、全てが消えているのだ。
あるのは広大な収穫の終った大地だけ。
地平線まで何も無くなっている。
当然地平線の向こうまで全て無くなっている。
フォード教授が目を見開き、少し唇が震えている。
「ふふふっ……」
全員の驚き顔がおかしくて、少し笑いがこみ上げてきた。
「アンナメーダーマン、隕石の時も驚いたが、音も立てずにこれだけの事を、こんな短時間で成し遂げるのだねえ。いやーー、隕石の時よりも驚いたよ」
落ち着きを取り戻したフォード教授が静かに言った。
「はーーっ、驚いた。でも、そんなことより、帰るって何。折角泊まりの用意もしているのに」
ミサが、少し不機嫌に言う。
「そ、そんなことより……」
フォード教授が、ミサの言葉にあきれている。
「そうです。私の休みは四日間です。折角アメリカにきたのですからーー」
坂本さんも、このまま帰るのは不服のようだ。
全員が俺の顔を見つめる。
「しょうが無いなー。で、どこへ行きたいのかね?」
あっ、フォード教授の言い方がうつった。
「ハワイーーー!!!」
満場一致のようだ。
あそこ、ゾンビはいるし、サメはいるし、あんまり楽しくないぞ。
大丈夫なのか。
「わかった。わかった。フォード教授、日本に牧場の準備をしますので、もうしばらくここにいてください。用意が終ったら迎えに来ます」
「ああ、楽しみに待っているよ」
フォード教授に、別れのあいさつをそれぞれが済ますと、俺達はハワイへ向った。
青い海、青い空。
後ろには群がるゾンビ。
目の前の海にはきっと沢山の巨大ザメがいるのだろう。
UFOを砂浜に降ろし、バリアをはった。
「な、なんですか、あれは?」
古賀さんが驚いている。
生のゾンビを見るのは初めてのようだ。
「ふふふ、映画でおなじみゾンビです。世界中にあいつらがいます。ハルラと言う男の超能力ですね」
しかし、ゾンビは干からびてミイラになっていると思ったが、どうやらハルラの魔力の影響で、みずみずしいままだ。
現役で人を襲うことが出来るようだ。
人間の気配を感じているようで、ワラワラと集まりだした。
「ううっ、気持ち悪いねー」
はるさんが少しおびえている。
UFOの格納庫が開き、中から機動陸鎧天紫改が一体出て来た。
ミサの機体だ。
どうやら海にもバリアを張って泳げるようにするつもりらしい。
砂浜に紫の機体が設置された。
「これで、ゾンビもサメも対策が出来ました。泳ぎましょう」
坂本さんがUFOから降りてきた。
真っ赤な露出の多いビキニを着ている。
も、もう水着になっているのかよー。
続いて、古賀さんとヒマリ、愛美ちゃんが出て来た。
古賀さんまで、少し露出の多い紫のビキニを着けている。
ヒマリと愛美ちゃんは、あずさとおそろいの白くて腰にフリフリスカート付き、お尻にスライムの絵の付いた水着だ。
スライムの色がヒマリは黄色、愛美ちゃんがオレンジ色だ。
天紫改のハッチが開きミサが降りてきた。
ミサは、青い悩殺ビキニだ。
普通に降りれば良いのに、飛び降りるものだから、ぶるんぶるん揺れている。
ミサの胸はフージーコちゃーんのものに、そん色が無い。
あ、あふれちゃうぞ。
美熟女好きにはたまらないだろう二人がUFOから降りてきた。
凜とはるさんだ。
凛は紺色のやはり小さなビキニ。
はるさんは緑のビキニだ。
二人とも露出の割におしとやかに見える。
たぶん、ミサのぶるんぶるんを見たからだ。
「おおおおーー」
思わず声が出てしまった。
美しい長い金髪のウルトラウーマンの登場だ。
青と赤のアメリカの国旗のようなカラーのレオタード姿だ。
その胸がすげー、ミサより一回りでかい。
「ふにゃーー」
あたりがフラッシュのように光り、視力を奪われた。
ウルトラウーマンが消えて、アメリが登場した。
どうやら、変身が解けたようだ。
はやいなーー。
「アンニャメーダーマンの前だと、ドキドキして変身時間が短くなってしまいましゅーー」
どうやら、三分持たないようだ。大丈夫かー? 何秒持ったかわからん位、短かったぞ。
変身が解けたウルトラウーマンは、幼女アメリになる。
そのアメリは、何ちゅー、かっこうだー。
幼女のくせに、超布の小さいビキニを着ている。
青と赤と白のストライプだが、布が小さすぎて最初よくわからんかったぞ。
女ばかりだからか、全員大胆な水着だ。
――あれ、あずさは?
「うわっ!」
あずさは隣にいた。
おそらく誰よりもはやく水着になっていたのだろう。
いつもの水着姿だ。
俺の顔を、上目遣いで見ると。
「皆、なんて水着を着ているのでしょう」
あきれたように言った。
「本当です」
ヒマリと愛美ちゃんが近づいてきて同時に言った。
「まあ、しょうが無い。女ばかりだから、安心しているのさ」
「えっ!!!」
三人がすごく驚いている。
そ、そんなに驚くことかなあ。
「じゃあ、楽しんでくれ」
「えっ、どこかへ行くのですか?」
ヒマリと愛美ちゃんがふたたび驚いている。
「ああ、スイートルームを掃除しないとな」
俺は、宿泊するホテルの掃除をする為、砂浜を後にした。
「やれやれです」
三人のつぶやきが聞こえた。