「のあーーーっ」
ビーチに着いた俺は驚いた。
こ、この方達はいったい何を考えているのだー。
そうか、女ばかりだと、大胆に出来るのか。
ミサも坂本さんも、大胆な水着をきている。
――みっちゃーん、荷造り用の紐が、ミサさんの体に巻き付いていますよー!
くらい、すごい水着だ。隠れているのか隠れてないのか、俺には判断が出来ない。何と言っても、ミサはふーじこちゃーんみたいな、ダイナマイトボディーだ。
直視することが出来ねー。
坂本さんは、ミサほど激しくないが、赤いビキニで露出度が多い。
髪がショートで、スレンダー美女の、赤い水着は似合いすぎる。
愛美ちゃんは、スクール水着だ。
これは、これで……。
おじさんは見ないように致します。
なーーーっ。
アメリは、星条旗の模様の水着だが、ミサより紐だ。
胸は、小さなパチンコ玉くらいの布が付いているだけで、丸見えじゃねーか。
よっ、幼女がこれでは、警察に捕まるぞー。
と、思ったら、この人は二十歳以上、法的には大丈夫でしょう。
一応隠れていることは隠れているし……。
まあ、おじさんはなるべく海を見つめて、見ないようにした。
全くこんなものを見せられたら、海に入るしかありませんよねえ。
俺は走って海に飛び込んだ。
「あっ!?」
全員が驚きの声を出した。
俺が海の中でバチャバチャしていたら、尻に違和感がある。
振り返って見たら、でかいサメが噛みついていた。
まわりを見たら、サメでいっぱいだ。
皆さんが驚いた意味がわかりました。
海が豊かになっている証拠なのでしょうかねえ。
サメの巣のようになっている。
俺は、尻に一匹つけたまま、空中に飛んだ。
そして体を回転させて、お尻のサメをビーチに飛ばした。
「きゃーーーっ」
水着の美女達から悲鳴が上がった。
「それって、晩ご飯にならないかなー」
「無理ーーー!!」
全員が無理だと言っているので、ビーチに戻って海に帰してやりました。
「しかし、水がきれいだねーー!!」
「本当に!」
海の水は、本当にすきとおって綺麗だ。
サメの黒い影もよく見える。
小魚もいっぱいいる。
人間がいなくなって、まだ一年もたっていないのに、海は過去の自分を取り戻しているようだ。
俺がボーッと海を見ていると、全員が俺のまわりに集まってきた。
「あのさあ、泳げないのに水着は不要だろ、着替えて欲しいのだけど」
「うふふ。そうね、目的は果たしましたし、着替えましょうか」
あずさとシュラ以外はUFOに戻っていった。
あずさは、収納魔法でしまってある、メイド服を出してそのまま着ている。
「しかし、海にも入れないのに、水着になる必要があったのかー?」
俺はあずさに聞いたのだが、あずさはニコニコしているだけで、じっと遠くを見つめている。
「お待たせ!」
ミサが、白いワンピースで横に来た。
「遅くなりました」
坂本さんと愛美ちゃんが少し遅れて来た。
この二人も白い服を着ている。
「遅くなったでしゅ」
アメリも白い海兵のようなセーラー服を着て、長い金髪を風になびかせて、俺の前に来る。そして振り返り、上目遣いで見上げてきた。
海に負けないほど全員美しい。
ちぇ、醜いのは俺だけじゃねーか。
なんだか、疎外感を感じた。
ビーチで、そのまま食事の用意をして、野外で食事を楽しんだ。
アメリは、うな重を出してもらい、美味しそうに食べている。
食事を楽しんでいると、あたりがオレンジに輝きだす。
水平線に太陽が沈み始めている。
なんだか、自然の造り出す風景がとても美しい。
俺は、人生の中で、こんなに自然の風景をのんびり見た事が無い。
――いいもんだなあ
なんだか、しみじみそう思えた。
爺さんに近づいている証拠なのだろうか。
食事を楽しんでいる、女子を放置して、砂浜に座り込み太陽が沈んでいくのをずっと見つめた。
「とうさん、ずっと何をしているの?」
あずさは食事が終ったのか、俺の横に来た。
「こうしていると、なんだか、隕石騒ぎが無かった事のように感じる。日本に戻ると、東京の街は大勢人がいて、山手線は満員で今日も運行しているのじゃ無いかなと、思えてくる」
俺はゴロンと横になった。
しっ、しまった。
何の気無しに横になったが、この位置だと、あずさのスカートの中が丸見えだ。
でも、大丈夫か。あずさは水着だからね。
「本当ね。ここで水平線を見ていると、何もかも忘れてしまうわ」
俺の頭の上にミサが来た。
そっ、その位置は、ダメだろう。
ミサの白いスカートの中が丸見えになった。
とっさに目を閉じた。み、見てもいいのか。
どうせ、ミサは心を読んでいるはずだ。
それとも読んでいないのか。
俺は目を開いた。
――おーーーい!!
目を閉じている間に、全員が俺の周りにいる。
全員のパンツが目に飛び込んできた。
ミサの黒、坂本さんの赤、アメリの水色、あとは白が見えてしまった。
俺は、「見えてるぞー」心で叫んだ。
ミサは恥ずかしそうに顔が赤くなった。
やっぱり、心を読んでいる。
まさか、ミサはわざと見せているのか。
そんなことあるわけないわな。
俺は、そっと視線を外した。
太陽が沈むと、星があり得ないほど、輝きだした。
この島にも人工の光が無い。
プラネタリウムのように星がしっかり見える。
「これが、天の川かー」
俺は、自分の目で初めて天の川を見て感動していた。
何故か、全員が俺のまわりに座って星空を見つめている。
「私の故郷の星はあれでしゅ」
アメリが指をさした。
「えっ!?」
全員が驚きの声を上げた。
アメリって宇宙人なのー!?
俺はてっきりアメリカ人だと決めつけていたよ。