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第44話『クインテッド・ソウルズ・ゲーム ―ラストバトル―』

ついにラスボスであるヴィオとの戦いを残すだけになった。装備を整え、レベル上げをしていたがどうやらこのゲームはレベルが50までしか上がらないようになっている。


紫神町を出て行こうとしたら。


『行く前にステータスを確認した方が良いわよ。装備し忘れとかあったらたいへんでしょう?』


シキミがそう言うと進もうとしてもこのセリフが発生して進めないので、データセーブをしてナインウッド達のステータスを確認した。


【勇者ナインウッド】レベル50

HP:2079

攻撃力:230

特殊攻撃力:201

守備力:115

特殊防御:124

魔力:130


装備:勇者の聖剣、最強の鎧、鋼の盾


【ヒイラギ・カンナ】レベル50

 職業:魔法使い 

年齢:22歳 身長:153センチ/体重56キロ

3サイズ B:88 W:70 H:89

 誕生日:11月23日 

 好きな食べ物:イチゴのショートケーキ

 嫌いな食べ物:パクチー


HP:1814

攻撃力:72

特殊攻撃力:304

守備力:183

特殊防御:204

魔力:500


装備:聖なるペンダント、魔導法皇の杖、魔導法皇のマント


覚えている魔法:ファイア3、アイス3、サンダー3、トルネード3、ロックガイア


・Lure‘sのまとめ役的な存在をしていたりいなかったり。どこかつかみどころのないお姉さんで、『秘密』があることが魅力の1つだと持論する。〉



【ウメムラ ルカ】レベル50

 職業:整備士(エンジニア)

年齢:23歳 身長:167センチ/体重63キロ

3サイズ B:95 W:77 H:90

 誕生日:10月7日 

 好きな食べ物:ジャンクフード(ハンバーガーとフライドポテトが特に好き)

 嫌いな食べ物:ピーマン


HP:1989

攻撃力:350

特殊攻撃力:157

守備力:470

特殊防御:52

魔力:90


装備:メカニックのスパナ、作業服、サブマシンガン


特技:罠外し、探索、機械修理


・Lure‘sの頭脳的存在。攻撃的な性格をしているが根は優しい。ゲームが得意で、世間でクソゲーと呼ばれているゲームの配信をしている。私服は可愛い。



【クスノキ ユウカ】レベル50

 職業:僧侶

年齢;18歳 身長:163センチ/体重65キロ

3サイズ B:102 W:81 H:92

 誕生日:12月25日 

 好きな食べ物:イチゴのタルト 、ツナマヨのおむすび

 嫌いな食べ物:レバー


HP:2308

攻撃力:42

特殊攻撃力:94

守備力:462

特殊防御:534

魔力:612


装備: 聖職者のローブ、混沌のロッド、ホワイトソックス&ガーターベルト


覚えている魔法:ヒール2、ヒール3、解呪ヒール、シャインソウル


・Lure‘sの末っ子。天然でお人好しと絵にかいた良い人。頑張り屋な姿にファンはみんなついて行く。勇者ナインウッドに好感を持っている。



【カシモト リン】レベル50

職業:聖騎士

年齢;26歳 身長:163センチ/体重58キロ

3サイズ B:99 W:76 H:86

誕生日:2月29日 

好きな食べ物:焼きナス、しめさばのお寿司

嫌いな食べ物:辛いもの


HP:1102

攻撃力:1403

特殊攻撃力:0

守備力:1100

特殊防御:0

魔力:0


装備:滅聖槍ロンゴミアント、聖騎士の鎧、星の盾


特技:ライトニングランス(全体攻撃)


・Lure‘sの中で最年長のメンバー。アイドルになりたい夢を捨てれずに今のメンバーと共に頑張ってきた。体を張る事もあるバラエティー色が強い一面がある。皆から信頼されている。



【シキミ リアン】レベル50

職業:神乙女(ヴァルキリー)

年齢;22歳 身長:170センチ/体重70キロ

3サイズ B:108 W:88 H:92

誕生日:8月8日 

好きな食べ物:チョコレートアイス

嫌いな食べ物:とろろ


HP:2800

攻撃力:949

特殊攻撃力:1095

守備力:42

特殊防御:78

魔力:900


装備:神剣セイヴァーブレード、天星の翼、夢幻のアミュレット


特技:サンダーブラスト(全体攻撃・物理)、ホーリーライトニング(全体攻撃・特殊)

   天空の加護(チームの全ステータス50パーセント上昇)


・Lure‘sの実質的リーダー。結成時は4人だったが、その後に入ったメンバー。容姿端麗で秀才でありイベントやコンサート、ライブの企画を立てている。人当たりがいいので他者からも信頼されやすい。



ナインウッドを含めた6人のステータスを確認する。現時点で最強の装備をそろえレベルもカンストさせている。最初は倒すのも億劫な敵だったが後半から仲間に加わるクスノキとシキミの壊れ気味のステータスにより速攻で敵を倒せるように経験値と金が溜まっていく。持っているアイテムも最初から強いので即戦力となり他のメンバーのレベル上げにも集中できた。


(作ったばかりのゲームとは言え大分キャラクターのステータスが滅茶苦茶だな。そのおかげで進行もスムーズだけど、この先に待ち受けるヴィオはどれだけ強いんだろ…)


清志はまだ見ぬ敵であるヴィオに注意しながら進めていった。


―――――――――――――――――――――――――――――――――― 


紫神町を出て道なりに進んでいくと、ヴィオの拠点であるパープル城が見えてくる。

城の中に入ると敵がエンカウントし進行を妨害してきた。クスノキとシキミのおかげで進めているが、この城に出てくる敵キャラは行動停止スキルを使う〈呪詛信者〉と高い火力で攻撃をしてくる〈ブルーフレイム〉のコンビが主で苦戦した。どちらも素早さが高いので先手でスキルを使われると無駄にダメージを負うので逃げる方が早いと判断し、できるだけ逃げた。


番人として置かれたモブ敵の信者を倒すとついに奥の祭壇部屋に到着し、そこにヴィオが待ち伏せていた。


『ククク。愚かにも神である私に逆らう冒険者がここへたどり着いたか。まずよくここまで来たと誉めてやろう。だが貴様は神の怒りを受けて地獄へと落ちる運命にあるのだ』

『…笑わせるな。神を気取る愚か者の言葉に私が恐れると思っているのか?』

『貴様…! 私が愚か者だと!』

『私にはあなたに神々特有の神聖さを感じない。あなたに苦しめられた人々の無念を晴らすため、あなたを地獄に送りましょう』

『神たる私を侮辱したことを後悔するがいい!』


勇者ナインウッドと、ヴィオによる最後の戦いが始まろうとしていた。

その時…


『…くたばれええええ!!』


突如現れた白装束の女性によってヴィオは腹部を刺された。


『グわあああ!?』

『償え償え償え! 地獄に行って旦那に謝れエエエエエ!!』


女性の持つナイフが何度もヴィオの肉体をえぐり、大量出血によってヴィオは絶命した。


「えっ…ええっ!?」


突然の展開に驚きを隠せない清志。ボス戦が始まると思っている中に起こったイベント。ラスボス戦すら行われずヴィオは倒されてしまった。


『これでいい。世界はいつだって【命の代償】でしか変われない。その対価を払ってしか変えれない』

『なぜ…』

『私はきっと地獄に行く。だけど、その前にやり遂げれた。どうかあなたは…』


彼女は最後穏やかな顔をしてその場から消えた。


『…クラキ…さん』


勇者のその言葉を最後に場面は暗転し、エンディングが流れ始めた。


【物語の終わりとは意外とあっけないものかもしれない。だがその後の事を語るべきであろう。


勇者ナインウッドの活躍によりヴィオは討たれ、世界に平和は訪れた。だがヴィオが残した傷跡は今もあちこちに残っている。

 信者達は指導者を失ったが、それぞれが独立しカルト教団を作って暗躍している。今は彼らを撲滅するため、ヴィオの被害を受けた者達が武装して各地で残党を狩っている。


勇者ナインウッドと5人の仲間たちは【クラキ】の存在は伏せて自分達が倒したことにしたのは、生き残った者としての務めを果たすため。二度と悲劇が起こらいようになるため【英雄】という名の抑止力になる事。それを伝える事。勇者ナインウッドは仮面をかぶり5人と放浪の旅に出た。


仮面が付けた男が町に現れた時、きっとそれはかつて勇者と呼ばれた男なのかもしれない】


スタッフロールが終わると【THEEND】のロゴが現れオートセーブ行われた。


「…これでクリアってことなのか?」

「一応確認した方が良くない?」


大江戸の言葉に従い清志はゲームのデータを確認した。


【〈クインテッド・ソウルズ・ゲーム クリア済み〉】と表示されていた。


セーブデータを開くと勇者ナインウッドと5人の仲間は最初の町にいた。


他に攻略要素もないためゲームは終わったようだった。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 


―蒼空つばさの家


つばさも同様にゲームをクリアしていた。


「ヴィオの最後。事件と同じや…」

「…後味の悪い終わり方ね」


〈クインテッド・ソウルズ・ゲーム〉はゲームバランスが不安定だがストーリーはある程度できていた。ゲーム全体としてみれば荒いが、全部が悪いとも言い難いという感想であった。つばさが配信者としてこのゲームに得た感想である。


「だけどせらぎねら☆九樹さんはこのゲームを通じて、何かを…いいえ、山内と紫龍院教の真実を伝えようとしている」

「…せらぎねら☆九樹…。奴の過去が紫龍院教と関わっている。これは感やない。確信や。だが新たな謎が生まれたのも確かや」


桝谷がメモした【クラキシゲオ】、【カンザキコウタロウ】、【カンザキミナミ】の3人の名前。この3人の正体が何としても知りたかった。どうしようかと考えていたその時、


「あれ、晩御飯出来ましたけど食べます?」


白石が部屋に入ってきた。


「ああ…。先に食べていてもええで」

「飲み物だけ持ってきます」

「ああ、わかりました」


そう言って2人は一度休憩の為に飲み物を持っていこうと思った時、


「あ、しもた…」


桝谷はメモを落とした。


「なんですかコレ?」

「ああ…なんでもないで…」


白石は桝谷の書いたメモを目にした。


「!?…カンザキ…、カンザキコウタロウ…どこかで聞いたような…?」

「ええ!?」

「白石さん、なんか知っとるんかいな?」

「ああ…。そう言えば昔、仕事で聞いたことがある名前…。そうだ…。確か建設の事業成功パーティー…で」


白石はその男の事を思い出した。


「【神崎 幸太郎】日本で数少ない華族の家系で、資産家だ」


【神崎 幸太郎】。

それは山内を陰で操る黒幕であり、せらぎねら☆九樹の真の敵である男である。






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