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言の刃の国物語~蜻蛉洲、最期の10日間~
46(shiro)
異世界ファンタジー冒険・バトル
2024年08月05日
公開日
1,549文字
連載中
※こちらの小説は特異な形式をとっています。
8/14までにコメントにキャラのステータスと行動を書いてください。それにより筆者がそのキャラで執筆し、8/21から第1回分を公開します。

以下からキャラクターの背景を選んでください。
1.未来から来た現代人
とある神社に奉られた時遡(ときさか)の鏡を通って蜻蛉洲に来ました。
何か現代のアイテムを持っていてもいいですが、常識の範囲内です。

2.蜻蛉洲の者
ただの村人でも女王に仕える者でも巫女の館に仕える者でも構いません。
名前はカタカナのみ、名字なしです。漢字は高貴な者しか使えません。

3.怪師
体の一部が獣と化した獣人です。その度合いは自由に決めてください。かなり進んだ外見では、思考や言動に不穏なものが混じります。武器は刀、弓、素手等です。
傍らには妖獣がいます。大きさ、外見、性格、知能、言語を話せるか、どんな能力を持つか等自由に設定できます。

4.外国人
女王の招請に応えて来た蜻蛉洲以外の国の兵士、貴族、傭兵等、好きな身分で設定してください。
武器・武具を設定できます。

下のテンプレートを用いてキャラを作成してください。3人まで可。
【名前】
【年齢】
【性別】
【口調】「~だ」「~だぜ」「~です」「~だよ」等
【一人称】私、俺、僕等
【二人称】あなた、あんた、おまえ等
【外見特徴】目の色、肌の色、髪の色、髪型、身長等
【キャラクターの背景】未来から来た現代人等
【服装】
【持ち込みアイテム、武器】

次にそのキャラの【行動】を書いてください。
著しく世界観を壊すもの、公序良俗に反する行為、スカトロ、グロ、リョナ等はお断りさせていただきます。

第1回で登場予定のキャラは以下になります。
・蜻蛉洲の女王、日神子 35歳 女王の館にいます。
・神無木の巫女、四十八 17歳 巫女の館にいます。
・怪師のランカ 24歳 妖獣・影茨を追って山にいます。
・招請されて来た外国人たち いろいろな場所にいます。
※行動によっては登場しない者もいます。

彼らに接触して世界の情報収集をされてもいいし、他のキャラを設定してその者と絆を育んでもいいし、妖獣と遊んだり、人に仇なす怪夷、妖獣を狩って過ごしても構いません。

あなたのキャラの行動によって物語が動き、結末が生まれます。
この世界がどんな結末を迎えるかは、あなた次第です。

【初回締切は8/14】滅びが予見された国で、あなたはどう生きますか




    これは、かつて存在し、そして『今』は失われた国のお話――。




 今から約1300年ほど昔。この島国は蜻蛉洲アキヅシマネと呼ばれていました。

 山、森、湖。豊かな自然は大小さまざまな生き物を豊富に育んでいます。


 中でも鋭い牙や爪、角を持ち、人間に害意を持つ獣は総じて怪夷カイイと呼ばれ、そしてその中に混じって生まれてくる、ほんの一握りの特殊な怪夷、摩訶不思議な異能力を操る彼らを妖獣ヨウジュウと呼んで区別し、人々はなるべく彼らと関わらないように生きていました。


 互いの領域すみかを侵さないこと――それを人間、妖獣、双方が暗黙の定めとしてきましたが、それでも接触は避けられず、両者間で深刻な争いがしばしば起きていました。


 それを収めてきたのが怪師カイシと呼ばれる者たちです。


 彼らは妖獣を飼い慣らし、心を通じ合わせ、そうして対となった妖獣の手を借りて時に力ずくで争いを鎮めてきました。

 ですが、それは妖獣の放つ闇の気を常に浴び続けることに他なりません。その影響を受けて怪師の姿は徐々に異形と化していき、やがては身も心も闇の獣と化して、最期は仲間の怪師に狩られるという残酷な宿命を負う者たちでした。


 我が身を犠牲に人々を救い、しかしいつ獣へと変じて自分たちに襲いかかるか知れない者たち。

 人々は彼らに感謝しつつも恐れ、疎んじて、距離を置くのが常でした。


 獣と、妖獣と、人と、そのはざまにある怪師が住まう国。

 それが蜻蛉洲です。



 そしてそんな蜻蛉洲を今、滅亡の危機が襲います。



 それを予見したのは齢17でありながら蜻蛉洲随一の巫覡フゲキ四十八ヨツハでした。

 星詠の儀にて神霊を降ろした四十八は告げます。


「はるか地の底より、恐るべき悪意を放つ巨大な怪夷が浮上してきております」


「それはいつわれらの前に姿を現すか、わが巫女よ」


 女王・日神子ヒミコの凜とした言葉に応じるよう、四十八は光を捉えぬ目を閉じたまま、面を上げました。

 額には星印と呼ばれる記号が浮かび上がり、白金の光をうっすらと放っています。


「わが女王、お答えいたします。

 今から9の夜を経て迎える朝、その怪夷は地上へと達し、現れたるその身より放たれし悪意は空を闇で覆い、地上の生きとし生けるもの全ての命は瞬く間に刈り尽くされるでしょう」

「生きるもの全てか」

「さようでございます、わが女王。あなたさまも、私も。この国にいる者、この世界にある命、全てです」


 その場にいる全員が息を飲み、言葉を失いました。

 災禍は蜻蛉洲のみならず、世界に及ぶというのです。


 蜻蛉洲の者で巫女の神霊言を疑う者はいません。しかし他国の者はどうでしょうか?


 蜻蛉洲は決して小国ではありませんが、世界規模で見ればもっと大きく、地続きの他国との切磋琢磨の歴史から強大な力を持つに至った国はいくらもあります。小さな島国しか知らぬ田舎者よと、彼らをさげすむ国も少なくありません。

 ましてや広大な西方の地を支配し、世界の王を自称する老人は、冷酷で残忍な、闇の心を持つ者と聞いています。そのような老獪が、会ったこともない島国の女王の言葉に耳を貸すかどうか……。


 かといって手をこまぬいてはいられません。


「これは我が国のみならず、世界の危機である!」


 日神子は西の大国の他、北の帝国、南の連合国家へも伝令を放ちました。


◆◆◆


 同刻。

 神山の頂でそのような事が起きているとはつゆ知らず、護摩祈祷の小さな炎がちらつくさまを見上げながら怪師ランカは右肩の妖獣に話しかけました。


「見ろ。四十八が夜を徹して星詠みの儀を行っているぞ。

 おれたちも頑張ろう。もう一息だ。今度こそ、影茨かげいばらを捕らえてみせる」


 火トカゲの妖獣は勇猛にシャッと舌を鳴らして応えます。

 その喉をなでたランカは止めていた足を再び動かし、茂みに分け入って行ったのでした。





 10日後に世界が滅ぶ。

 そんな先読みがなされた国で、あなたは何を思い、どんな行動をとるのでしょうか?


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