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55. 訓練所


 プレイヤー中心の露店で適当に昼食を取って、冒険者ギルドに来た。

 いつものおばさん……お姉さんはお休みみたいで、今日は若い可愛い子が受付をしていた。

 ライトグリーンのツインテールの肌が白くてツヤツヤの子だ。おっぱいも大きい。

 受付はいくつかあり、他の受付はもう一人可愛い子と渋いおじさんと小さい女の子の受付がある。


「こんにちは」

「こんにちは。どのようなご用件でしょうか?」

「新しい魔法とか槍術とかを教えてくれる場所、知りませんか?」

「そうですね。冒険者ギルドの裏手に訓練所がありますよ。基本的な戦闘方法などを教えてくれます。ただ、今日は日曜日なので教官がお休みです」

「そうですか」


 肌の焼けたおじさんとちょっと年上のお姉さんのパーティーがこちらに近づいてきた。

 あまりNPC冒険者には出会ったことがなかったので、珍しいかもしれない。

 NPCじゃない可能性もなくはないけど。


「なんなら、俺らが稽古つけてやろうか? 暇だしな」

「いいわね。私も後輩の育成とかしてみたいわ」


 私たちは相談して、お願いすることにする。


「それじゃあ、お願いします? おいくらです?」

「なに、きまぐれさ。真面目にやってくれれば金なんかいらねえよ」


 さっそく5人で裏口から出て、裏手の訓練所に向かった。

 訓練所は塀で囲まれているが屋根はなく、空が見えていて、地面も土がむき出しだ。


「俺はそうだな。今は教官でいい」

「私はじゃあ、お姉ちゃんでよろしく」


「わかりました。教官。お姉ちゃん」


「とりあえず、武器と防具だして着替えて戦闘準備!」

「はい、教官!」


 3人とも、すぐに衣装チェンジする。これはホログラムを操作してもいいけれど、いわゆるイメージ操作でも可能だ。

 教官たちは元から冒険者風装備だった。武器だけ実体化して準備する。


 教官とクルミとサクラちゃんが二対一で、私がお姉ちゃんと基礎訓練をすることになった。


「お姉ちゃん、よろしくお願いします」

「それじゃあ、まず基礎魔法マジックボール」


 私は、マジックボール、アイスブリーズ、ファイアショット、ヒールを見せる。


「カナヘビには勝てるっていうから、そこそこ戦えるみたいだね」

「はい、ありがとうございます」

「私が教えられるのはアイスブリーズ、ウィンドカッターだわ」


 そう言って案山子に向かって、ウィンドカッターを披露してくれる。

 そして、どういう原理かはわからないけど、私もウィンドカッターが使えるようになったみたいだ。


「アイスブリーズは凍結効果が出て相手を一瞬止める効果があるわ。そのかわり攻撃力は普通。ウィンドカッターは再使用間隔が短めだけど攻撃力は弱めかな。ファイアショットは、私は使えないけど、使用間隔は長めだけど威力は高めだわ」

「はい」

「相手によって得意、不得意があるから、適度、使い分けてちょうだいね。ミケちゃんは、魔法使いだけど、ナイフは使えるかな?」

「持っていますが、使ったことはありません」

「じゃあ、杖術のほうがいいわね。接近戦になったとき杖を使って戦うわ」


 お姉ちゃんは杖術を教えてくれた。

 杖と杖、杖と格闘、杖とナイフなどのパターンで、私に技術を教えてくれる。


 クルミとサクラちゃんは、二人で攻防一体の訓練、連携訓練などをしていた。

 その後、私たちも合流して二対三で戦闘訓練をすることになった。


 教官たちは人数差をものともせず、私たち3人を翻弄してくる。

 この日、先輩冒険者の強さというものを知った。


 教官たちも2人とも、ヒールなどの白魔法を習得していて、不味いポーションはあまり使わず、もっぱらMPポーションを使用しているらしい。


 気がつけば、もう夕方近くなっていた。


「それでは訓練は終わりだ。よく頑張った。俺の名前はザイールだ」

「結構良かったわよ。私はミーティアよ」


 フレンド登録をしてくれるらしい。

 フレンドリストに無事登録された。


 ・ザイール・H・ルーカス(オンライン)

 ・ミーティア・S・ブルックリン(オンライン)


 フルネームで表示されていた。ところでNPCはオフラインになるのか疑問だ。

 寝てると「(睡眠中)」になるらしいけど。

 なおフレンドだからと言ってレベルとか所属ギルドとかは表示されない。


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