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53. デルタ町装備屋


 当初予定とは違って、ポーションを売りさばいてしまった。

 思ったより値段も高かったし結果オーライ。

 薬草は売ってたけど、畑で栽培もしているので買うのはやめた。


 メルミちゃんに聞いた装備屋さんに向かう。武器屋と防具屋が一緒になっているんだそう。

 この町はそこまで大きくないので1軒しかないそうだ。

 普通のお店屋さんは日曜だから閉まっているけれど、装備屋は冒険者向けの施設なので特別にやっているらしい。プレイヤーに優しい店主さん(設定)だね。

 銅の武器、青銅の武器、あと鉄の武器を売っていた。

 そのなかでも鉄の武器は値段がかなり高かった。


「お嬢さん、鉄の武器は作るのに技術がいるみたいで高いよ。それからレベルが10になっていないなら装備は推奨しないよ」


 店主のハゲ親父にそう言われてしまった。


「Lv制限ですか?」

「さあ? 装備できないことはないが、扱うのが難しくて能力を正しく発揮できないといわれてるな」

「ふむふむ」


 攻撃力は初心者武器が10で銅の武器は15、青銅の武器が18だった。

 鉄の武器は30だけど、装備は難しいうえに値段が高いと。

 ボノックじいさんの銅の武器は20だったので、今の所一番高い。

 特に更新する必要はなさそうだ。


「ああそう、魔法使いの武器は魔法屋のほうがいいぞ」

「そうですか。そういえば今日ウシ行商人のウエストさん来ました?」

「あのウシの青年か、結構儲かってるみたいだったぞ。かなり武器も買っていったな」


 個人情報なんたら、とかはないのかな。

 私たちも変な行動して噂にされないように気を付けよう。


「そういえばミスリルとかないんですか」

「この町ではミスリル鉱石は産出していないといわれてるな。もっとも出ても扱える鍛冶屋がいないんで、無理だな」

「なるほど」

「それに買うとものすごく高いぞ。鉄の武器の10倍はすると言われてる」

「ふむふむ」

「防具は見ていかないのかい」

「あっそうですね、見ていきます」


 ローブの私はあまり前に出ないので、今の所不要な気がする。

 革の軽鎧のクルミはまだいいそうだ。

 サクラちゃんは初心者の革の重鎧だけどどうかな。


「ワタクシはお金に余裕があれば、防具を新調したいですわ。ウシさんが強くて、飛ばされてしまいましたし」


 そういえば、そうだったね。


「じゃあ、サクラちゃんのだけ新しくするか」


 サクラちゃん用に青銅のハーフプレートメイルを購入。お値段6,000セシル。


 ●青銅のハーフプレートメイル

  青銅の重鎧。一般的な装備。

  種別:防具重鎧

  レア度:2  ランク:3

  防御力:18

  魔防力:15

  耐久:100/100


 フルプレートメイルと違い、青銅と布、革の合成鎧になっている。そのため動きやすさを重視しつつも防御力の高い鎧に仕上がっていた。

 この世界ではこの防具が一般的な鎧のようだ。


 さっそく装備して見せてくれる。

 なお、これは女性用で胸の部分がそれなりに強調されている。

 ちなみに下はスカート付きになっていて、ちょっと可愛い装備だ。

 色は青銅は新品の十円玉みたいな色で、布は白い色をしている。


 あ、そうそう。このゲームでは早着替えシステムがあるので、試着室で着替える必要がない。

 それに体格に合わせて自動サイズ変更がされる。

 ないひとはそれなりに、あるひとはあるのが分かるように変更される。世の中慈悲はない。


 NPCさんたちはその辺不思議に思っていないらしく全部神様の「ウクレレ神とアクレレ神のご加護の賜物じゃ」とか言っていたので問題ないらしい。

 NPCもホログラムお財布システムを使っている。だからスリにあったりしないのだ。

 それなのにセシルは白金貨、金貨、銀貨、銅貨にすることができる。

 小貨と中貨があって中貨は5円玉みたいに穴が空いている。

 1銅小貨=10セシル。銅中貨=100セシル。銀小貨=1,000セシルという風になっている。

 実体化させるときは、どこかでチップを払って置いておくときとか、泉にお金を投げるとか限定的らしい。


 そんなこんなで、お買い物は終了した。


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