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21. ボノックじいさん


 8日目の朝だ。今日も晴れ。というかまだ、雨は見ていない。

 ゲームで雨だと、なんかやりにくいもんね。

 朝からいつものスープとパンを食べて、外出する。


 今日はまず村長の家にお邪魔する。


 薬草110個を、5級ポーション(渋み控えめ)にする。

 だけど器具の関係で、干肉のように一度にたくさん作れない。

 3つ分ずつ、分けて作ることにした。


 2人には、狩りをしてもらってもいいけれど、またオオカミが出たら大変だ。

 木工ペンダントを作ってもらう。


 その間、たまに村長と会話する。

 森でオオカミと会ったこと。ボスっぽいのと遭遇したことを話す。あと白キノコの偽物についても話した。


「オオオオカミに会ったのか。それは災難じゃったな。あれは、ごくまれにしか姿を現さん。運が悪かったのう」

「はい。それでお金が3割も減ってしまって」

「災難じゃな」


 暫く会話もなく、黙々と作業する。

 ぽつりと、思い出したのか村長がまた話しだす。


「そういえば、宿と反対側の2軒隣のボノックじいさんが昔は鍛冶屋をしていた。武器防具の販売、修理も受け持っていたから、今でも在庫が少し残っておるようじゃ。何かあれば、尋ねてみればよい」

「そうしてみます。ありがとうございます」


 なんとかポーションを22個製造することができた。

 頑張ったと思う。スキル「薬師:Lv3」になったようだ。


 外に出ると、だいぶ日差しも高くなってきた。


 ボノックじいさんの家を訪ねる。

 扉は閉まっていたが、ノックをして声を掛けると、戸を開けて中に入れてくれた。


「こんな老いぼれに何か用かな」


 私たちは名前を名乗り、用件を伝える。

 新しいそれぞれの武器はないか尋ねる。


「よかったな、丁度あるわい。大盾のお嬢ちゃんには、短剣がいいだろう」


 私たちに丁度よさそうな、次のランクの武器を見せてくれる。


 ●青銅の槍

  熟練工が作成した青銅の槍。かなり良い品質。

  種別:武器

  レア度:2  ランク:4

  攻撃力:20

  耐久:95/100


 ●青銅の大盾

  熟練工が作成した大盾。かなり良い品質。

  種別:防具大盾

  レア度:2  ランク:4

  防御力:20

  魔防力:18

  耐久:95/100


 ●青銅の短剣

  熟練工が作成した短剣。かなり良い品質。

  種別:武器片手剣

  レア度:2  ランク:4

  攻撃力:20

  耐久:95/100


 ●青銅の杖

  熟練工が作成した杖。

  種別:武器

  レア度:2  ランク:3

  攻撃力:14

  魔攻力:17

  耐久:95/100


「杖はすまん。魔法は専門ではないので、他よりちょっと劣るぞ」


 確かに劣るけど、今までよりは強い。

 あと、置きっぱなしだったから、耐久が減っているそうだ。


「全部そろえると値が張るが、防具もあるぞ?」

「防具はすみません。今の所大丈夫です」


 ガントレットぐらいつけてもいいけど、動きづらいのは勘弁したいかな。

 ちなみに杖の攻撃力は殴った時の威力だ。


 試しに装備してみたら、結構重い。

 でもこんなもんかな。

 私は振り回すことはあまりしないからいいか。


 武器と盾を購入。すべて5,000セシルで合計20,000セシルである。

 残金は63,705セシルとなった。



 お昼前だけど、トラニー君の所へ行き、今日の露店をお願いする。

 売り物は、ペンダント星形x5、ウサギ絵x7、5級ポーション(渋み控えめ)x22となっている。

 干肉は昨日作っていないので、在庫がほとんどない。

 薬草と空き瓶の買い取りを入れようと思う。薬草x200@100セシル、空き瓶x40@15セシルだ。

 ちなみに「@いくら」というのは1つあたりいくら、という意味だ。

 どうやらトラニー君は、流れのNPC商人として見られていて、ユーザー販売アイテムだとは思われていないらしい。

 20,000セシルを買い取り代金として、トラニー君に預けておく。

 ついでにこれで、死亡してもそんなにセシルが減らない。

 一石二鳥だ。


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