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11話 自己投資


 午前中ウサギ狩りをして30匹ぐらい倒したところで終わらせた。

 また町に戻ってきて昼食にしたい。


「今日は何食べたい?」

「なんでもかまいませんよ。この世界にいるとわたしたちもお腹が空くので不思議だけどね」

「そうなんだ」

「はい」


 おなかをすかせたサポートAIとは。

 それはそれで、ちょっと困った顔をしたところがかわいい。


 適当な食堂で食べることにした。

 ウサギ肉ステーキと付け合わせみたいなメニューだった。200イジェル。


「ごちそうさま」

「はい、ごちそうさまです」


 お金はそこそこあるのだ。


「どうしようか」

「どうしますか? わたしには決められないので」

「うーん」


 2人合わせて3万ぐらいある。

 何か買って自分たちに投資したほうがいいと思う。


 ギルドに行き、お買い物をした。


 買ったものはこちら。


 じゃじゃーん。


 農地レンタル「3万イジェル」。


 普通の人なら防具と装備にお金をかけるのが普通だろうな。

 はい。買っちゃった農地、レンタルだけど、買っちゃった。



 こんなに早く土地借りる人は少ないだろう。

 農業する人ももっと広いいい土地借りるだろうし。

 俺たちは狭くても、早くほしかった。


 地図で場所を確認して即、レンタルした。


 すぐ横を水路が流れているから水も問題ない。


「んじゃ農地にまいります」

「はーい」


 2人とも所持金はすっからかんだけど、いいのだ。

 また草を売ればいい。

 今日はその草を増やすための土地を得たのだ。

 これで無限増殖だぜ。



 指定された農地についた。草ボーボーだった。

 といっても中には俺たちがサラダに使っている草なんかもある。

 慎重に名前を見ながら雑草抜きをする。


 またサラダのメインのルク草がたくさん生えている。

 町の外にも生えてはいるけど、ここまで多くはないと思う。

 なんか外だとラビットもいるので、あんまり雑草抜きをしようと思わないけど、たぶん探せば無限に生えているかもしれいないね。


「こっちにはルーデ草があるわよ。いっぱい青い実がついてるよ」

「ほんとだ」


 ルーデ草の実は在庫が減っていたのでうれしい。


「どんどん収穫しよう」

「はいっ」


 収穫しまくった。


「大体終わったな。次は石を取り除くか」

「そうですね。レア石とかあるといいですね」

「うん」


 石拾いだ。どんどん取っていく。

 小石、小石、小石、小石、鉄鉱石、ガラスの破片。

 そしてたまに銅鉱石。ガラス玉なんかもある。


「ふう、結構取れた」

「そうですね。ガラス片とか、誰かが捨ててくんですよね。もう」

「まあまあ、そのおかげで俺たちは助かる」

「はい」


 土地を買ったおまけでくれたシャベルを使って土を耕していく。

 2つあるから2人で作業できた。


 そして葉っぱ部分をサラダ用に取った草の根っこを埋めていく。


「こっちにはイチゴ草も植えるね。あとアマアマ草も」

「うん」


 こうして、雑草と薬草畑が完成した。ルーデ草も植えてある。


「夕方だしこれくらいにするか」

「そうですね」

「じゃあ、サラダとサンドを売ろう」

「はい」


 パン屋によって、売れ残りの白パンを大量買いしてきた。

 3,000イジェル。


 お財布の中には500イジェルしかない。あははは。


 噴水広場に戻って、サラダとサラダサンドを売った。

 今日も売り上げはそこそこいった。


 ちょっと人が少なくなってきていた。

 今のリアルは夜中の1:30ぐらいだろう。


「それじゃあ寝ないとね」

「そうですよ、ではログアウトしましょう」


 こうしてリアルの1日目は終了した。




 翌日、朝、目が覚めた。

 普通に朝食をとって、いろいろした。


「んじゃ、ゲーム再開しますか」

「そうですね」


 しかし時間が合わない。ゲーム内は今は夜だ。

 10:30になるまで勉強をしてから、ログインをする。


「ふう、ゲームに戻ってきた」

「もうどっちに戻ってくるっていうんですか。もうゲーム廃人みたいなこと言って」

「いいじゃん。もはやこっちがマイホームさ」

「そうなんですか」

「ははは、家はない無職、すなわち住所不定無職。すなわちホームレス」

「家はないけど土地はあるんですよね」

「うん。小屋でも隅に建てて住む?」

「やめてくださいっ」

「本気にしないでクレヨン」

「うぅぅ」


 自分たちには面白いんだかつまんないんだか分からない、よく分からない掛け合いをして、しまった。


「とりあえず畑の様子を見ようか」

「そうだね」


 畑についたらすでに緑いっぱいになっていた。


「畑ってこんなすぐに生えるんですね」

「ですね。アカリどう思う?」

「イッツ、ファンタジー」

「だよな」

「はい」


 ということで、収穫できるものは収穫した。

 葉っぱは収穫時期だったけどイチゴはまだのようだ。


 またパンを買ってきて、サラダとサンドを売る。

 もうルーチンワークといってもいい。


 畑はいいぞ。


 薬草のクス草も土地の半分ぐらいで育ててあるので、かなり増えた。

 そろそろ売りたい。

 サラダの草は、雑草取りで在庫がまだたくさんあった。


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