ゲーム内の朝に合わせてインしたので、今は早朝だった。
6時ぐらいだろうか。
朝日が降り注ぎ、町が活気だす。空気が澄んでいるように見える。
現実の世界も、朝は同じような感じだけど、それでもやっぱり何か違う。
現実よりも「きれい」に見える。
大気汚染は現代ではかなり改善されているのに、やはりまだ完全とは言わないのだろう。
石油や石炭系はほぼなくなり、今は水素の時代になっている。
それでもごみ焼却工場や火葬場など、燃やすものがゼロになったわけではないということなのだろう。
パンは売り切れてしまったので、パンを買いに行く。
3,000イジェルで、買えるだけ買った。
パン1個50イジェルぐらい。60個の大量買いだ。
朝ご飯を食べに来る客を狙って、朝に営業を始めたばかりの肉串屋さんの隣にまた露店を開いた。
リアルの時間がちょうど夜のゴールデンタイムなので、お客さんがたくさんくる。
食べている人を見ると、食べたくなるのか、いい宣伝になり、次々と売れていった。
雑草をパンに挟んで提供した。
サラダがいい人には、ハーブサラダも売る。
すでにリピーターになってくれている人も何人か見かける。
俺は顔を覚えるのは苦手なんだけど、なんとなく覚えている人がいた。
朝なので、外で戦闘するのだろう昼用のパンを購入する人もけっこういた。
朝のパンがなくなったので、露店は中止にした。
「結構売れたね」
「だいたい12,000イジェルですね」
「お、おう」
「異世界ファンタジーらしく、そろそろ、わたしたちも戦闘とかするといい気がしませんか?」
「あーそうしようか。3日目にしてやっと町から出る、遅い冒険者さん」
「そうですね」
「無職だからしょうがないね」
「はい」
「武器は何か買わないと」
「露店にありそうですか」
「あるといえば、ありそう」
「もう中古武器売ってるんですか?」
「ああ、自分に合わないのとかあったんじゃないの」
「なるほど」
露店を見て回る。
いわゆる朝市みたいになっていた。
薬草がたくさん売っている。
あとは石を集めまくっている人もいる。鉄鉱石は分けて置いてあった。
ゴブリンのこん棒が安い。50イジェル。でもこれはちょっとやだなぁ。まあ何もいいものがなかったらこれにしよう。
こん棒は5個もあった。
そういえば調理用だけどナイフは買ったんだった。場合によっては武器になる。
今はそれでもいいかもしれない。
とりあえず、最強無職様なので、こん棒1個だけ買って、いってみようか。
「こん棒1つください」
「はいよ。これ使うつもり? それとも何か生産職さん?」
「いやぁ、使ってみようかと。無職なんで」
「無職選んだんだ。なんにでもなれる無限の可能性、それが無職。かっこいいね」
「まあね。ありがとう」
「お買い上げ、ありがとうございます」
結局、こん棒を買った。
「それじゃ外いこっか」
「はい。回復は任せてくださいな。ヒールが初期魔法みたいですね」
「そりゃあいい、よろしく。あ、ポーションとか傷薬とかなくてもいいのかな」
「大丈夫ですよ、たぶん」
「そっか」
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▽ステータス
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ステファン・マッサン
男性 人族
無職
Lv 2
HP 110/110
MP 110/110
17,050イジェル
攻撃力 5 +5
防御力 5 +6
魔攻力 5
魔防力 5 +3
残ポイント 1
ゴブリンのこん棒 攻撃力+5
布の服 防御力+2、魔防力+1
布のズボン 防御力+2、魔防力+1
布の靴 防御力+2、魔防力+1
スキル:料理Lv1、昼寝Lv1
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戦闘で関係ある所持アイテムは、薬草のクス草がちょっとあるぐらい。
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▽ステータス
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アカリ
女性 猫耳族
治療術師
Lv 2
HP 105/105
MP 115/115
17,050イジェル
攻撃力 2 +4
防御力 5 +8
魔攻力 3
魔防力 7 +4
残ポイント 1
作業用ナイフ 攻撃力+4
メイド服セット 防御力+6、魔防力+3
布の靴 防御力+2、魔防力+1
スキル:ヒールLv1、料理Lv1
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アカリのステも見せてもらった。
俺とあんま変わらないけど、数値のステータスが防御よりになってる。
お金は2人で半分こにしているので同じだ。
ナイフはアカリの武器にしてみた。
こん棒のほうが強いんだなっていうね。
2人とも、作業をしただけだけど、経験値がたまったらしくLvは2になっていた。
道を歩いていき、外へ向かう。
門があって衛兵がいた。よくあるやつだった。
門から出てしばらく進むと、ウサギがいた。
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▽ワイルドラビット
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おう。野ウサギちゃんだ。
ただし普通のウサギよりもかなり大きい。一応でもモンスターなのだろう。
接近してこん棒で殴る。ちょっとかわいそう。
しかし敵だと思って頑張って攻撃する。
横からアカリもナイフで切りつけている。
切りつけても、ちょっとエフェクトっぽいのが出るだけで血は出ない。表現規制だろうか。
なんだかよくわからないうちにウサギを倒して、粒子になって消えていった。
その場にウサギの皮とウサギの肉が落ちていたので拾う。
こうしてあっけなく、最初の戦闘を終わらせた。
なんだかあまりぱっとしない戦闘だったけど、こんなものなのだろう。
それから周囲でしばらく、ウサギ狩りをした。
30匹ぐらい倒したところで、お昼近くだったので一度戻ることにする。
レベルは3になった。さてステータス用ポイントがもらえたけど、どうしようかな。
1ポイントで1ずつ増やせる。今すぐでもなくていいので、後回しにしようか。