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第41話「ザハールとの対決」

砂の迷宮を無事に突破し、ついに僕たちは砂の王ザハールが待つ広間へと辿り着く。広間の中心に鎮座する玉座に、威厳に満ちたザハールが静かに座っている。彼はゆっくりと立ち上がり、冷ややかな眼差しを僕たちに向けた。

「よくここまで来たな。しかし、試練はこれからだ。知恵と冷静さ、そして力、そのすべてをためそう」

 ザハールが低く響く声でそう言うと、周囲の砂が一瞬にして巻き上がり、広間を覆い尽くすほどの激しい砂嵐となった。視界がほとんど奪われ、砂の嵐が吹き荒れる中、僕たちは立ちすくむ。

「私は砂の王、ザハール。この砂嵐の中では、私の力が絶対だ」

 ザハールが静かに告げると、巻き上がった砂の中から巨大な砂の兵士たちが次々と現れ、無言のまま僕たちに向かって突進してきた。

「アリア、レオファング、やるぞ!」

 僕は剣を構え、迫りくる砂兵士たちに立ち向かう決意を固めた。剣を振るい、最前線で応戦するが、兵士たちは砂でできているため、斬っても斬ってもすぐに再生してしまう。いくら切り裂いても、彼らはその形を保ってこちらへと押し寄せてくる。

「くそ……このままじゃキリがない!」

 僕は歯を食いしばりながら叫んだ。

「レオンくん! 私が砂嵐を抑えるから、その隙に攻撃を仕掛けて!」

 アリアが必死の声で指示を飛ばす。

「頼んだ!」

 僕は力強く頷き、砂兵士たちを抑え込むために剣を構え直す。

 アリアが素早く魔法の杖を掲げ、冷気を帯びた魔法を唱え始めた。次の瞬間、冷たい風が広間全体に吹き渡り、砂嵐を抑え込むかのように冷気が広がっていく。彼女の魔力で砂の動きが鈍り、視界が徐々に回復し始めた。

「今だ!」

 僕はその瞬間を逃さず、剣を振り下ろして砂兵士に斬りかかる。今度は砂兵士の再生速度が鈍っている。アリアの冷気が彼らの動きを遅くしてくれたおかげだ。

「シャドウファング・スラッシュ!」

 僕は全力で剣を振り抜き、目の前の砂兵士を粉々に打ち砕いた。砂の塊は地面に崩れ落ち、再び形を成すことなく消えていった。

「ナイス、レオンくん!」

 アリアも息を切らしながら魔法の杖を振り続けている。だが、砂兵士たちは次々と湧き出てきて、広間全体を埋め尽くしていた。僕たちが倒しても倒しても、その数は減ることなく、無限に出現するような錯覚に陥る。

「レオファング、頼む!」

 僕が叫ぶと、レオファングが空高く舞い上がり、力強い炎のブレスを砂兵士たちに浴びせかけた。炎の力で兵士たちは一瞬で崩れ落ちるが、再び砂が集まり始める。

「こんなに多くの相手……どうすればいいの!?」

 アリアが苦しそうに叫んだ。

「諦めるな! ここで終わらせるんだ!」

 僕は自らを鼓舞し、何度も剣を振る。だが、ザハールは悠然と立ち尽くし、僕たちの攻撃を見守っているだけだった。

「このままではいけない……!」

 僕は次第に焦りを感じ始めたが、諦めるわけにはいかない。全身に力を込め、もう一度剣を振り上げた。

「シャドウファング・スラッシュ!」

 剣が再び砂兵士を斬り裂き、周囲の兵士もレオファングの炎で焼き尽くされていく。だが、兵士の数はあまりにも多く、僕たちは徐々に押され始めていた。

「くそ、これじゃ……!」

 僕は足を取られ、膝をつきそうになる。だが、その瞬間、アリアが必死に叫んだ。

「レオンくん、諦めないで! ザハールの砂の魔力は、無尽蔵に湧き出ているけど、必ず弱点があるはずよ!」

 その言葉に、僕ははっとしてザハールを見据えた。彼の力は確かに圧倒的だが、どこかに打開の糸口があるはずだ。

「弱点か……。わかった、アリア! まだ戦える!」

 僕は剣を握り直し、再び立ち上がった。

「レオファング、もう一度炎で援護してくれ!」 

 レオファングが高く飛び上がり、力強い咆哮と共に再び炎のブレスを浴びせた。砂兵士の動きが鈍り、その一瞬の隙を突いて、僕は全力で剣を振り下ろした。

「シャドウファング・スラッシュ!」

 僕の剣から放たれた一撃が、砂兵士を粉々に打ち砕いた。残った砂が地面に崩れ落ち、再び形を成すことはなかった。

「ナイスだ、レオファング!」

 僕はレオファングに感謝しながらも、すぐにザハールに向き直った。ザハールは依然として冷静な表情を崩さないが、砂兵士をすべて倒したことで、戦いは次の段階に移った。

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