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16 お店の準備だよ


 ホーランド商業ギルドに毎日のように通っている。


 契約をホーランドに決めた際の決定打だったのはメホリックにはユグドラシルの木があり、ホーランドにはないということだ。

 だから秘薬のレシピが公になったら、メホリック有利になってしまう。

 できれば持ってきた苗木をホーランドで育てて、同条件にしようというのが、私の狙いだった。

 私の行動でギルド間の抗争になったら、目も当てられない。


 家賃無料とか魅力的ではある。でも稼げるようになれば、そんなの大したことではなくなってくる。

 それに便宜をはかってもらうなら、こちらも見返りを考えないといけなくなって縛られてしまうという考え方もあった。

 その点、ホーランドは一時的な便宜だけで家賃は普通だ。お互い対等に付き合えると思った。


 ホーランドからは一週間は働かなくてもいい、支度金を貰った。これは返さなくていいと言われた。


「――本当に返さなくていいんですか」

「いいよ。これぐらいの金額なら、錬金術製品の売り上げですぐ元が取れる」

「あ、そ、そうですよね」

「そういうことだよ。最初に無駄にけちけちする必要はないのさ。ギルドはうまく使ってくれ」

「あっはい」


 まずはお店の確保だった。


 空き店舗というのは、広い王都の中ではけっこうな数あったので、全部見るのは大変だった。

 どのお店もそれぞれいいところがあり、判断に迷う。

 田舎だったらこんなに迷わないのになぁと思いながら王都すごいなぁと思って見ていた。

 結局決めた場所は、表通りのお値段が高い建物ではなく、一本入った場所だった。


 一階が店舗と倉庫と工房。二階が居住区、そして裏には空き地があったのだ。

 この都市は道が四方八方に伸びているんだけど、主要区はその道の間隔が広い。

 それで道で囲まれた区画の真ん中が道路に面していない空き地になっていた。

 そこは普通はそれぞれの家の裏庭、中庭なんだけど、ここの区画は丸ごとこの店の土地になっていた。


 王都郊外にも、薬草園の土地は確保している。

 でも、お店の裏手にも多少の土地があるのは、かなりうれしい。


 メホリック商業ギルドのお店のように、ここの裏庭にユグドラシルの木を植えようと思う。

 万が一、私がいなくなっても、土地の所有権はもともとホーランド商業ギルドのものなので、何も問題ない。

 賃貸というと、そこに植物を植えるのは戸惑うけど、家主がはっきりしているならまぁ問題ないのだ。

 こうして代々ユグドラシルの管理者が継承されていって、何百年と経っても、有効利用されることを私は望んでいる。

 なんと言ってもユグドラシルの木はまさに「金のなる木」だから他人が物理的に入ってこない、メホリックのギルドみたいに中庭は最適地だった。


 あとこのお店には、とっても魅力的な施設があった。それはお風呂。庶民はあまりお風呂に入らないで体を拭いて生活しているけど、実家にはお風呂があったからやっぱりあるとうれしい。

 あとたまに液体に大きなものを漬け込みたいときにも活躍する。まあ、例外的な使い方だけど、錬金術ではたまに必要になる。


 ホーランド商業ギルドから弟子はとらないけど、担当のメイドさんが割り当てられた。

 担当者ということだけど、実質雑用係に近い。


「マリーです。よろしくおねがいします」

「はい。よろしくです。ミレーユです」


 マリーちゃんは私の同い年の十三歳。背丈は同じくらいだけど、そのおっぱいが大きい。メイド服は胸を強調するデザインだから余計丸く大きく見える。ちょっとお姉さんに見えて羨ましい。

 目も髪も漆黒で、ツヤツヤヘアーのストレートのセミロング。綺麗でやっぱり羨ましい。


 いけないおっぱいは、身体検査としてしっかりもみもみして確かめさせてもらった。

 ふわふわ、やわらか、ぽよぽよで、とっても気持ちがいい。

 その弾力はちょっとポムと似ていて、触ると癖になりそうだった。


 ふむ。骨や筋肉がないと、安定した形を保てないのだな。

 非常に不安定で、柔らかい。


「マリーちゃん、もっかい抱かせて」

「もう一回だけですよ、もう」


 ガシッとマリーちゃんを抱くと、温かくて柔らかくて、とにかく気持ちがいいのだ。むふふ。


 魅惑のおっぱいは私のものだ。すごい癒やしですよこれは。


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