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第166話 仲間

これは斜陽街から扉一つ分向こうの世界の物語。

龍の彫られた扉の向こうの世界の物語。


ロンは、いつものようにグループの連中と一緒に夕飯を取る。

そしてロンは告げる。

「話があるから、食事が終わってもちょっと残ってくれるか」

仲間たちの集うロンの家の中では、

食事をするこの部屋が一番広かった。

仲間たちは口々に、わかった旨を伝え、

いつものような夕飯の時間になった。


食事を終え、

皿洗い係が片づけを終える。

そして、仲間は誰一人帰ろうとしない。

ロンは決心を伝えることにした。


「俺は塔に登り、龍鈴を鳴らそうと思う」


仲間たちは、まだ、言葉を待っている。


「…手伝ってほしい」


ロンがそういった瞬間、仲間たちから歓声が上がった。

「あったりまえよ!」

と、叫んだもの。

「ロンに龍鈴ならさせてやろうぜ!」

と、同意を求めるもの。

「ロンが決心してくれたー!」

と、すでに半泣きのもの。

さまざまだったが、

みんな、ロンが龍鈴を鳴らす決心を歓迎してくれた。


「俺たちだけじゃ『白鬼』には力不足だよなぁ…」

「他のグループにも声はかけてみるか?」

「なぁに、協力しないってんなら、俺たちだけでもロンをサポートしてやろうぜ」

「おうよ」


ロンは、気のいい仲間たちに感謝した。


あくる日から仲間たちによる、龍鈴鳴らしの仲間勧誘が行われた。

『白鬼』に不満を持っているものは、少なくない。

表向きは従っていても、

『白鬼』の目と耳の届かないところで、協力を約束したものがいた。

いくつものグループが、ロンが龍鈴を鳴らすことを喜び、サポートを約束した。

『白鬼』の知らないところで、

町の若い者は、がっちりと手を組んでいた。


ロンは部屋からいつもの塔を見る。

(近いうち、龍鈴を鳴らしに行く。そして、この町を『白鬼』から解放する!)

ロンはこぶしを握り締めた。

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