目次
ブックマーク
応援する
いいね!
コメント
シェア
通報
第158話 廃船

これは電脳の仮想空間の物語。


少女達は、電脳廃墟をさまよっていた。

今回は、うち捨てられた船を捜索していた。


「結構きれいな船だったんだろうねー。もともとは」

「ん、そうみたい…あれ」

「あ、在りし日の写真ってやつ?…へーぇ、白くてきれいきれい」

少女達は口々におしゃべりしながら探索していく。


かもめがひょいっと上の階に上る。

かもめが船の救助用ロープか何かを落とし、

あかねとあおいが上の階に行く。

手先の器用なあかねが上の階の鍵をとく。

部屋には机や写真や…

「これは航海日誌?」

「電脳廃墟でもここまでやるのねー」

「ぼろくて読みにくいや。あおい、魔法お願い」

「ん、わかったー」

あおいが魔法をかける。

航海日誌は読みやすい形になった。


「ええとなになに…」

「どこへ行ったとかない?」

「んー、わかんない地名ばっかり」

かもめがぱらぱらとページをめくる。

「あれ、ここで途切れてる」

「あ、ほんと」

「最後はなんて書いてある?」

「ええとー…この船は何度でもよみがえる…だって」

「じゃあ、白い船に戻すこともできるのかな?」

「まって、手段が書いてある…」

少女達は手段を熟読し、

「よし、この船を元に戻すか」

「おー!」


少女達は船を駆け下りていく。

エンジン部分を動かすといいらしい。

エンジン近くには、子どもの姿をした『壊し屋』というモンスターが何体かいた。

少女達のレベルでは問題なかった。

少女達はエンジンルームへたどり着く。

派手に壊れていた。

かもめが壊れた機材を持ってきて、

あかねが修理する。

そして、あおいが整ったところで魔法をかける。

エンジンが動き出し、

エンジンから連鎖して船が元に戻っていく。

「さ、外に出よう!」

少女達が甲板までやってくると、

船はきれいな外観を取り戻していた。


少女達は船を降り、

加算されたポイントを見る。

「結構ポイント入ったね」

「次の廃墟行こうか」

「うん」


少女達が去ろうとしたところ、白い船は勝手に動いてどこかへ行ってしまった。

少女達は、そういうイベントなんだと納得して、次の廃墟を目指した。

コメント(0)
この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?