これは電脳の仮想空間の物語。
少女達は、電脳廃墟をさまよっていた。
今回は、うち捨てられた船を捜索していた。
「結構きれいな船だったんだろうねー。もともとは」
「ん、そうみたい…あれ」
「あ、在りし日の写真ってやつ?…へーぇ、白くてきれいきれい」
少女達は口々におしゃべりしながら探索していく。
かもめがひょいっと上の階に上る。
かもめが船の救助用ロープか何かを落とし、
あかねとあおいが上の階に行く。
手先の器用なあかねが上の階の鍵をとく。
部屋には机や写真や…
「これは航海日誌?」
「電脳廃墟でもここまでやるのねー」
「ぼろくて読みにくいや。あおい、魔法お願い」
「ん、わかったー」
あおいが魔法をかける。
航海日誌は読みやすい形になった。
「ええとなになに…」
「どこへ行ったとかない?」
「んー、わかんない地名ばっかり」
かもめがぱらぱらとページをめくる。
「あれ、ここで途切れてる」
「あ、ほんと」
「最後はなんて書いてある?」
「ええとー…この船は何度でもよみがえる…だって」
「じゃあ、白い船に戻すこともできるのかな?」
「まって、手段が書いてある…」
少女達は手段を熟読し、
「よし、この船を元に戻すか」
「おー!」
少女達は船を駆け下りていく。
エンジン部分を動かすといいらしい。
エンジン近くには、子どもの姿をした『壊し屋』というモンスターが何体かいた。
少女達のレベルでは問題なかった。
少女達はエンジンルームへたどり着く。
派手に壊れていた。
かもめが壊れた機材を持ってきて、
あかねが修理する。
そして、あおいが整ったところで魔法をかける。
エンジンが動き出し、
エンジンから連鎖して船が元に戻っていく。
「さ、外に出よう!」
少女達が甲板までやってくると、
船はきれいな外観を取り戻していた。
少女達は船を降り、
加算されたポイントを見る。
「結構ポイント入ったね」
「次の廃墟行こうか」
「うん」
少女達が去ろうとしたところ、白い船は勝手に動いてどこかへ行ってしまった。
少女達は、そういうイベントなんだと納得して、次の廃墟を目指した。