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第148話 少女達

これは電脳の仮想空間の物語。


廃墟探索が趣味の少女達が、電脳にある廃墟を探索していた。

現実にも廃墟はあるが、

そこに行くまでに労力がかかる。

それに、現実の廃墟は危険だ。

そういう理由で、彼女達のように、電脳の廃墟を探索するものもいる。


電脳空間でも、ある程度リアルに廃墟の感覚は出せている。

昼もあれば夜もある。

しかし、電脳廃墟はそれだけではない。

電脳廃墟に入ると、現実ではできない特殊な力が使えるようになる。

現実の自分を忘れられるくらい、魅力的なことらしい。


少女達は、いつものように、電脳廃墟の待合室に集まった。


「やぁ、あかね」

「かもめ、早いね」

「あおいは?」

「そろそろ来るんじゃないかな?」

「やぁ、二人とも早いなぁ」

「よしっ、みんなそろったね」


三人の少女は、気ままに電脳廃墟をかける。

かもめは、身体能力が優れている設定にした。

あかねは、手先の器用さを選んだ。

あおいは、ある程度の魔法を使えることにした。


名前は電脳廃墟に入るときにランダムで選んだものだ。

だから、その名前の意味なんて知りはしない。

ただ、彼女たちを識別するのに使っている。


廃墟に入り、

廃墟にいる怪物や霊や、そういったものを倒し、

経験値をためてさらに強くなり、

廃墟の奥にある宝物を探し、

宝物を持って帰ることにより、電脳廃墟の入り口でポイントと換算され、

ポイントで、新しいアイテムが買える。

そのアイテムを使って、新たな廃墟に行く。

実在する廃墟をモチーフに緻密に再現されていることと、

実際の怪我や死などとは無縁に探索できるところが、売りらしい。

ただし、ある程度の仮想空間内での命のポイントはある。

まぁ、滅多なことでは仮想空間の死はない。


「さぁ、どこに行こうか」

今日も少女達は、廃墟をかけていく。

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